新刊

母の前で

認知症である母親の介護を通して,息子である作家は,人間を人間たらしめているものを問いつづける.

母の前で
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著者 ピエール・パシェ , 根本 美作子
ジャンル 書籍 > 単行本 > 文学・文学論
刊行日 2018/10/10
ISBN 9784000244879
Cコード 0098
体裁 四六 ・ 上製 ・ カバー ・ 224頁
定価 本体2,400円+税
在庫 在庫あり
ひとりの初老の男性が,100歳を超えて老化が進行していく母親を介護している.作家である息子は,慣れ親しんできた母親が遠くへと去ってしまう事態を受け入れつつも,その人をその人たらしめているものが何であるのかを,見極めようとする.自らの経験を通して,人間的なものの領域,その境界を見つめ続けた思索の軌跡.
母の前で
内なるラジオ

独りでしゃべる
  彼女に言語としてまだ残っているもの
  母の孤独
  どのようにしてそれ(終わり)は始まったか

言葉の括約筋
  いまの母
  どうして見舞いに行くのか
  彼女はやはりそこにいる
  彼女が(わたしを)見る仕方
  内なる言葉(パロール),共有すべき言葉
  ステレオタイプ,貧しくなっていくこと
  彼女はだれにもしゃべらない,彼女は「しゃべら」ない
  仮 定
  内面生活に身を任せて
  現実の解体
  彼女は死の感覚を失った(また別の仮定)
  虐 殺
  現実としての死・結婚
  「忘れる」という動詞
  言葉はなかなか死なない
  もはや彼女はしゃべらないのか?
  彼女のユーモア
  統合することができる
  言語(ランガージュ)の二つの機能
  排出機能?

どのように脳は死ぬのか?
訪問のあとで

訳 注
訳者あとがき
ピエール・パシェ(Pierre Pachet)
1937年パリ生まれ.
1962年古典文学教授資格を取得.1972年から2003年まで,パリ第七大学教員.
2016年6月死去.
主な著書に,Autobiographie de mon père〔父の自伝〕(1987年),La Force de dormir〔眠ることの力〕(1988年),Conversations à Jassy〔ヤーシの会話〕(1997年),L’OEuvredes jour〔s 日々の営み〕(1999年),Loin de Pari〔s パリを遠く離れて〕(2006年),Sans amour〔愛なくして〕(2011年),L’Âme bridée〔引きつった魂〕(2014年)など.

根本美作子(ねもと みさこ)
1967年生まれ.
1996 年東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了.学術博士.
現在,明治大学文学部教授.
主な著訳書に,ジャン= ルイ・フェリエ『ピカソからゲルニカへ』(筑摩書房,1990年),『眠りと文学――プルースト,カフカ,谷崎は何を描いたか』(中公新書,2004年),RepresentingWars from 1860 to the Present(共著,Rodopi,2018年)など.
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