新刊

犯罪加害者と表現の自由

「サムの息子法」を考える

被害者が反発する犯罪加害者の表現行為と,憲法の保障する表現の自由の関係は.

犯罪加害者と表現の自由
このエントリーをはてなブックマークに追加
著者 松井 茂記
ジャンル 書籍 > 単行本 > 法律
刊行日 2018/10/18
ISBN 9784000244886
Cコード 0032
体裁 四六 ・ 上製 ・ カバー ・ 280頁
定価 本体2,800円+税
在庫 在庫あり
神戸連続児童殺傷事件,そして最近では相模原やまゆり園事件の犯罪加害者の手記などが,被害者側の反対の中,出版された.被害者側へのさらなる加害行為ともなりうる加害者の表現行為をどのように考えるべきか.アメリカにあるような「サムの息子法」を,今日の日本で制定することの合憲性及び必要性について考える.
はじめに

第一章 アメリカにおける「サムの息子法」
 1 「サムの息子法」の背景
 2 合衆国最高裁判所判決
 3 違憲判決は妥当だったのか

第二章 「サムの息子法」の現在
 1 どのような措置が許されるか
 2 現在のニューヨーク州の「サムの息子法」
 3 もともとの「サムの息子法」が残されている州
 4 カリフォルニア州
 5 それ以外の改正された州
 6 「サムの息子法」の現在

第三章 カナダの「サムの息子法」
 1 ロバート・ピクトン事件
 2 カナダ法の対応――連邦法
 3 オンタリオ州の「サムの息子法」
 4 統一カナダ法会議の提案
 5 オンタリオ州以外の州の「サムの息子法」
 6 カナダにおける「サムの息子法」の合憲性

第四章 日本における「サムの息子法」の可能性
 1 現在どのような措置が可能か
 2 どのような措置の導入が考えられるか
 3 表現の自由を侵害しないか――判断の枠組み
 4 「サムの息子法」は表現の自由を制約するか
 5 検閲の禁止に当たらないか

第五章 「サムの息子法」の許容性
 1 犯罪に関する表現を禁止する
 2 収益を剝奪する――立法目的
 3 収益を罰金として徴収又は没収する
 4 収益をエスクローする
 5 違反行為に刑罰を科す
 6 マス・メディアによる収益も剝奪する

第六章 「サムの息子法」を振り返る
 1 犯罪被害者救済という観点から振り返る
 2 拡大された「サムの息子法」は必要か
 3 犯罪被害者の損害賠償請求権を考え直す
 4 どのようにして支払いを確保するか
 5 有罪判決を受けた人の代理人
 6 著作権

結びに代えて
松井茂記(まつい しげのり)
1955年生まれ,京都大学法学部卒業.大阪大学法学部教授を経て,現在,ブリティッシュ・コロンビア大学ピーター・アラード・スクール・オブ・ロー教授,大阪大学名誉教授.専攻は憲法.著書に,『情報公開法入門』(岩波新書),『カナダの憲法』『図書館と表現の自由』『インターネットの憲法学新版』(以上,岩波書店),『日本国憲法 第3版』『司法審査と民主主義』『アメリカ憲法入門 第8版』(以上,有斐閣),『マス・メディア法入門 第5版』(日本評論社)など多数.
ページトップへ戻る