新刊

沖縄に連なる

思想と運動が出遭うところ

歴史と身体が交差する場で見いだされる,生の共同性へと開かれていく“生きられる沖縄”の可能性を問う

沖縄に連なる
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著者 新城 郁夫
ジャンル 書籍 > 単行本 > 社会
刊行日 2018/10/18
ISBN 9784000612975
Cコード 0036
体裁 四六 ・ 上製 ・ カバー ・ 280頁
定価 本体2,900円+税
在庫 在庫あり
日米安保体制の発動する暴力が沖縄を生きる人々を狙い撃ちにする異常な日常が進行している.しかし同時に,この過酷な状況に抗い,生の共同性を発見していく営みが沖縄において止むことは,昔も今もそして未来においてもない.人々が集い,語りあい,座り込み,記録し,呼びかけることを通じて日々新たに生きられる〝運動体としての沖縄〟の可能性を論じる.
序 生きられる沖縄へ


Ⅰ 編みこまれる歴史

第1章 日本占領再編ツールとしての沖縄返還
 1 一九六九年の集団的自衛安保法制化について
 2 「本土の沖縄化」再考
 3 一九七一年「沖縄国会」を読む――アメリカ軍布令の国内法化について
 4 「本土の沖縄化に反対することに反対するわけにはいかない」という言葉

第2章 帝国継承の彼方の沖縄へ――武藤一羊『戦後レジームと憲法平和主義』をめぐって
 1 憲法平和主義という言葉へ
 2 〈帝国継承〉を追い込むために――稲嶺一郎という視角
 3 沖縄の今とこれから

第3章 沖縄が召還する難民の世界史――アンゲロプロス『エレニの旅』


Ⅱ 身体からひらかれる共同性

第4章 歴史を捲りかえす――阿波根昌鴻『写真記録人間の住んでいる島』を読む
 1 写真について
 2 境界の可視化と不全化
 3 座ることと行進すること
 4 文字を撮る
 5 見る人たちの現れ

第5章 消化しえないものの体内化をめぐって――晩年の岡本恵徳を読む
 1 「助けてくれ」という悲鳴
 2 痕跡
 3 体内化

第6章 水の記憶の断想
 1 氾濫のなかで渇く
 2 身体の水
 3 水の器

第7章 喪失を取り戻すために
 1 自殺していく風景
 2 喪失を喪失すること
 3 喪失を手繰りよせる

第8章 高嶺剛論のためのノート
 1 綴じ目の生
 2 盗まれ流用されるのを待つものたち
 3 「今どこにいるのか,ここかあそこか」――メカスから『変魚路』へ


Ⅲ 伝播する運動

第9章 「掟の門前」に座り込む人々――非暴力抵抗における「沖縄」という回路
 1 内戦について
 2 危機の配分と人種主義
 3 暴力を限界づけることと連続性の回復
 4 「掟の門前」に集い,座り込むこと

第10章 倫理としての辺野古反基地運動
 1 倫理的衝動について
 2 戦争の手触り
 3 普遍的な平和と平等への求めについて

第11章 運動体としての沖縄2012‐2018
 1 関係性としての沖縄
 2 分母を疑うこと
 3 橋下発言批判の更新にむけて
 4 新川明氏への疑問
 5 阿波根昌鴻を想起する
 6 いま私たちが私たちの「秘密」を創出していくこと
 7 琉球独立論の陥穽
 8 教育の場の再構築へ
 9 琉球国の主権というお化け
 10  病院から見えてくるもの
 11  国家を包囲し,基地を包囲する声のこだま
 12 「在る」ことへの問い
 13  生の条件としての反戦
 14  ゲート前でのお祝い
 15 「闘いの出発点」へ
 16 「私たちは負け方を知らない」
 17 大学について
 18 「一緒に帰ろう」という言葉へ
 19 警察について
 20 日本との別れ
 21 言い換えに抗する
 22 「返せ」というコールと不服従
 23 広場へ
 24 チビチリガマの破壊に思う
 25 法の臨界点,司法の限界を審問する
 26 裁判と記録について
 27 みだりに悲観も楽観もせず
 28 新崎盛暉先生の現代史に想う

あとがき
新城郁夫(しんじょう いくお)
1967年,沖縄宮古島生まれ.琉球大学法文学部教授.専攻は近現代沖縄文学・日本文学,ポストコロニアル研究,ジェンダー研究.
著書に,『沖縄文学という企て─―葛藤する言語・身体・記憶』『到来する沖縄─―沖縄表象批判論』(ともにインパクト出版会),『沖縄を聞く』(みすず書房),『攪乱する島─―ジェンダー的視点(「沖縄・問いを立てる 3」)』(編著,社会評論社),『まなざしに触れる』(鷹野隆大との共著,水声社),『沖縄の傷という回路』(岩波書店),『対談 沖縄を生きるということ』(鹿野政直との共著,岩波書店)などがある.
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