墓標なき草原(上)

内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録

戦慄の悲劇を招いた内モンゴルの文革.その要員と拡大化の過程を、体験者の証言から克明にたどる.

墓標なき草原(上)
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著者 楊 海英
通し番号 学術394
ジャンル 書籍 > 岩波現代文庫 > 学術
刊行日 2018/10/16
ISBN 9784006003944
Cコード 0122
体裁 A6 ・ 並製 ・ カバー ・ 384頁
定価 本体1,420円+税
在庫 在庫あり
他に先がけて文革の火蓋が切られた内モンゴルでは,かつて日本時代に教育を受けた者たちが「内モンゴル人民革命党」一派として粛清され,階級闘争論によって漢族による草原の開墾とモンゴル族の迫害が正当化され,略奪と殺害がエスカレートしていく.悲劇の実態を,体験者の証言を軸に克明にたどる.第14回司馬遼太郎賞受賞作,待望の文庫化.(全2冊)
人物紹介・重要歴史事項・地図

はじめに――内モンゴルの文化大革命に至る道

 序 章 「社会主義中国は,貧しい人々の味方」――中国共産党を信じた牧畜民バイワル

第Ⅰ部 「日本刀をぶら下げた連中」
 第1章 日本から学んだモンゴル人の共産主義思想―― 一高生トブシン,毛澤東の百花斉放に散る
 第2章 「亡国の輩になりたくなかった」――満洲建国大学のトグスの夢
 第3章 「モンゴル族は中国の奴隷にすぎない」――「内モンゴルのシンドラー」,ジュテークチ

第Ⅱ部 ジュニアたちの造反
 第4章 「動物園」の烽火――師範学院のモンゴル人造反派ハラフー
 第5章 陰謀の集大成としての文化大革命――師範大学名誉教授リンセの経験
 第6章 漢人農民が完成させた「光栄な殺戮」――草原の造反派フレルバートル


【下巻目次】

第Ⅲ部 根元から紅い延安派
 第7章 モンゴル人を殺して,モンゴル族の人心を得る――延安派に嫁いだオルドス・モンゴル人女性奇琳花
 第8章 「モンゴル人虐殺は正しかった」――所詮は「地方民族主義者」にすぎぬ「延安派」オーノス
 第9章 「モンゴル人がいくら死んでも,埋める場所はある」――大沙漠に散った延安派幹部アムルリングイ

第Ⅳ部 トゥク悲史――小さな人民公社での大量虐殺
 第10章 「文明人」が作った巨大な処刑場――トゥク人民公社の元書記ハスビリクトの経験
 第11章 「中国ではモンゴル人の命ほど軽いものはない」――家族全員を失ったチムスレン
 第12章 「モンゴル人が死ねば,食糧の節約になる」――革命委員会主任エルデニの回想
 終 章 スケープゴートもモンゴル人でなければならない――息子が語る「抗日作家」の父ウラーンバガナ
 視 座 ジェノサイドとしての中国文化大革命

おわりに――オリンピック・イヤーの「中国文化大革命」
解 説(藤原作弥)
内モンゴル自治区文化大革命年表
参考文献
人名索引
楊海英(ようかいえい,Yang Haiying)
モンゴル名オーノス・チョクトを翻訳した日本名は大野旭.1964年内モンゴル自治区オルドス生まれ.北京第二外国語学院大学日本語学科卒業.国立民族学博物館・総合研究大学院大学博士課程修了.静岡大学人文学部教授.主な著作に『続墓標なき草原─―内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録』『中国とモンゴルのはざまで─―ウラーンフーの実らなかった民族自決の夢』『モンゴルとイスラーム的中国─―民族形成をたどる歴史人類学紀行』『最後の馬賊─―「帝国」の将軍・李守信』などがある.
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