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日米安保体制史

厳しい批判を浴びながらも長期間維持されてきたのはなぜなのか.今後の方向性を考えるための基本の一冊.

日米安保体制史
著者 吉次 公介
通し番号 新赤版 1741
ジャンル 書籍 > 岩波新書 > 政治
刊行日 2018/10/19
ISBN 9784004317418
Cコード 0231
体裁 新書 ・ 266頁
在庫 在庫あり
いわゆる「安保体制」はどのように形成され,変容・維持されてきたのか.日本の対米協力,米軍基地の運用,米軍基地問題をめぐる日米関係史の三つの要点を軸に,内在する「非対称性」「不平等性」「不透明性」「危険性」に焦点を当て,その全歴史をたどる.大きな転換点を迎えたいま,今後の方向性を考えるための基本の一冊.


■正誤表(※別ウィンドウで開きます)
はじめに

第一章 講和の代償――日米安保体制の形成 一九四五―六〇
 第一節 日米安保体制の成立
  1 米ソ冷戦の始まりと日本
  2 対日講和と安保条約
  3 安保調印の波紋
 第二節 「独立の完成」をめざして――安保改定への道
  1 鳩山一郎政権の挫折
  2 安保改定の模索
  3 新安保条約の調印
 第三節 安保体制の「危険性」――米軍基地問題の始まり
  1 安保体制の成立と米軍基地問題
  2 在日米軍の縮小

第二章 米国の「イコール・パートナー」として 一九六〇―七二
 第一節 「イコール・パートナーシップ」の形成
  1 安保体制の転換点
  2 ベトナム戦争と安保体制
 第二節 沖縄返還と七〇年安保
  1 「戦後は終わらない」
  2 「核抜き・本土並み」をめぐる相克
  3 七〇年安保というハードル

 第三節 国民的「十字架」としての米軍基地問題
  1 「基地公害」への批判
  2 核をめぐる不安
  3 基地問題の「暴風信号」

第三章 日米「同盟」への道 一九七二―八九
 第一節 日米「同盟」への起点
  1 「基本的枠組み」としての安保体制
  2 「日米防衛協力のための指針」の策定――「同盟」への起点
 第二節 新冷戦と「同盟」路線
  1 新冷戦の幕開け
  2 「同盟」をめぐる迷走
  3 「同盟」関係の強化

 第三節 基地をめぐる本土と沖縄のねじれ
  1 本土における基地問題の後退
  2 核兵器持ち込みへの疑念
  3 沖縄への集中と固定化

第四章 冷戦後の課題 一九九〇―二〇〇〇――安保再定義と普天間移設問題
 第一節 湾岸戦争と安保体制
  1 「湾岸のトラウマ」
  2 自衛隊の海外派遣
  3 日米「同盟」の定着
 第二節 安保再定義とガイドライン
  1 「同盟漂流」への懸念
  2 アジア太平洋地域の「基礎」へ
 第三節 激変する米軍基地問題――普天間移設問題の始まり
  1 沖縄少女暴行事件の衝撃――顕在化する「危険性」と「不平等性」
  2 普天間返還の浮上

第五章 安保体制の「グローバル化」二〇〇一 ― 一八
 第一節 「テロとの戦い」と「世界の中の日米同盟」
  1 米国同時多発テロとテロ特措法
  2 「戦地」に向かう自衛隊――イラク戦争とイラク特措法
  3 G・W・ブッシュ政権の世界戦略と日本
 第二節 「安保構造」への挑戦と挫折――民主党政権下の安保体制
  1 日米の軋轢
  2 普天間移設をめぐる迷走
 第三節 集団的自衛権と安保体制――本格化する「グローバル化」
  1 集団的自衛権の行使容認
  2 安保体制の「グローバル化」――ガイドラインと安保関連法
  3 アポリアとしての米軍基地問題

おわりに
吉次公介(よしつぐ こうすけ)
1972年長崎県生まれ.立教大学文学部卒業.同大学大学院法学研究科博士後期課程退学.博士(政治学).日本学術振興会特別研究員,東西センター(East-West Center)客員研究員,沖縄国際大学法学部教授等を経て,
現在―立命館大学法学部教授
専攻―国際政治学・日本政治外交史
著書―『池田政権期の日本外交と冷戦――戦後日本外交の座標軸1960-1964』(岩波書店,2009年)/『日米同盟はいかに作られたか――「安保体制」の転換点1951-1964』(講談社選書メチエ,2011年) など

書評情報

毎日新聞(朝刊) 2019年1月20日
週刊エコノミスト 2019年11月27日号
西日本新聞 2019年1月5日

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