大化改新を考える

社会や民衆にとっては果たしてどのような〈改新〉だったのか? 徹底した史料解読から実態に迫る.

大化改新を考える
著者 吉村 武彦
通し番号 新赤版 1743
ジャンル 書籍 > 岩波新書 > 日本史
刊行日 2018/10/19
ISBN 9784004317432
Cコード 0221
体裁 新書 ・ 248頁
定価 924円
在庫 在庫あり
蘇我入鹿暗殺という衝撃的なクーデターから新たな中央集権国家形成へ,日本史上もっとも有名な出来事の一つである「大化改新」.だが具体的に社会はどう変わり,民衆の生活はどのような影響を受けたのか.例えばそのヒントは『日本書紀』の「雨乞い」記事にある──.文献の徹底した解読と考古史料の検討を通じて実態に迫る.
プロローグ ――神々の大化改新

一 『日本書紀』が描く「大化改新」とは
 1 東アジアの政変――隋・唐の建国と乙巳の変
 2 孝徳天皇の即位と「改革の使者」
 3 「改新詔」を復元する
 4 「公民」の創出

二 「諸国」を統べる新政権 ――京・畿内と「評制」
 1 難波遷都と京・畿内・国
 2 新たな地域支配――国造支配から立評へ
 3 地域の拠点と開発
 4 都と地方を結ぶ交通
 5 「任那の調」廃止と蝦夷対策

三 社会習俗の「文明開化」
 1 「愚俗の改廃」と婚姻習俗
 2 祓除の禁止と薄葬令
 3 宮廷儀礼と歌木簡
 4 仏教興隆の一画期としての大化改新

エピローグ――大化改新後と民衆

あとがき
参考文献/図版出典一覧
大化改新詔と養老令関連条文
大化改新関連年表
吉村武彦(よしむら たけひこ)
1945年 朝鮮大邱生まれ.京都・大阪育ち
1968年 東京大学文学部国史学科卒業,同大大学院国史学専修中退
現在─ 明治大学名誉教授
専攻─ 日本古代史
著書─『日本古代の社会と国家』(岩波書店),『日本社会の誕生』(岩波ジュニア新書),『聖徳太子』『シリーズ日本古代史② ヤマト王権』『女帝の古代日本』『蘇我氏の古代』(岩波新書),『日本の歴史3 古代王権の展開』(集英社),『古代天皇の誕生』(角川選書),『列島の古代史』(共編著,全8巻,岩波書店)ほか

書評情報

歴史地理教育 2019年3月号
東京新聞(朝刊) 2019年1月13日
朝日新聞(朝刊) 2018年11月17日
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