芥川龍之介選 英米怪異・幻想譚

芥川が選んだ「新しい英米の文芸」から20篇をさらに精選.知られざる名アンソロジー,ここに蘇る!

芥川龍之介選 英米怪異・幻想譚
著者 澤西 祐典 編訳 , 柴田 元幸 編訳
ジャンル 書籍 > 単行本 > 文学・文学論
刊行日 2018/11/21
ISBN 9784000613040
Cコード 0097
体裁 四六 ・ 並製 ・ カバー ・ 436頁
在庫 品切れ
気鋭の研究者と当代随一の翻訳家がタッグを組み,芥川が選んだ「新しい英米の文芸」を蘇らせる! 旧制高校の英語副読本として編まれたアンソロジー8巻より20の短篇をさらに精選.ポーやスティーヴンソンから本邦初訳の作家まで,芥川自身の作品にもつながる〈怪異・幻想〉の世界を全て新訳で堪能する.イエーツやキャロルなどの芥川による翻訳も収録.
《豪華な訳者陣!》
畔柳和代・岸本佐知子・柴田元幸・藤井光・澤西祐典・西崎憲・都甲幸治・大森望・若島正・谷崎由依・森慎一郎(登場順)
はじめに――柴田元幸


The Modern Series of English Literature より
 身勝手な巨人……………オスカー・ワイルド(畔柳和代 訳)
 追い剝ぎ……………ダンセイニ卿(岸本佐知子 訳)
 ショーニーン……………レディ・グレゴリー(岸本佐知子 訳)
 天邪鬼(あまのじゃく)……………エドガー・アラン・ポー(柴田元幸 訳)
 マークハイム……………R・L・スティーヴンソン(藤井 光 訳)
 月明かりの道……………アンブローズ・ビアス(澤西祐典 訳)
 秦皮(とねりこ)の木……………M・R・ジェイムズ(西崎 憲 訳)
 張りあう幽霊……………ブランダー・マシューズ(柴田元幸 訳)
 劇評家たちあるいはアビー劇場の新作――新聞へのちょっとした教訓
  ……………セント・ジョン・G・アーヴィン(都甲幸治 訳)
 林檎……………H・G・ウェルズ(大森 望 訳)
 不老不死の霊薬……………アーノルド・ベネット(藤井 光 訳)
 A・V・レイダー……………マックス・ビアボーム(若島 正 訳)
 スランバブル嬢と閉所恐怖症……………アルジャーノン・ブラックウッド(谷崎由依 訳)
 隔たり……………ヴィンセント・オサリヴァン(柴田元幸 訳)
 白大隊……………フランシス・ギルクリスト・ウッド(若島 正 訳)
 ウィチ通りはどこにあった……………ステイシー・オーモニア(柴田元幸 訳)
 大都会で……………ベンジャミン・ローゼンブラット(畔柳和代 訳)
 残り一周……………E・M・グッドマン(森慎一郎 訳)
 特別人員……………ハリソン・ローズ(西崎 憲 訳)
 ささやかな忠義の行い……………アクメッド・アブダラー(森慎一郎 訳)


芥川龍之介作品より
 春の心臓……………ウィリアム・バトラー・イェーツ(芥川龍之介 訳)
 アリス物語(抄)……………ルイス・キャロル(芥川龍之介・菊池寛 共訳)
 馬の脚……………芥川龍之介

おわりに――澤西祐典

附 芥川龍之介による全巻の序文と収録作品一覧
澤西祐典(さわにし ゆうてん)
1986年生,作家・別府大学講師・日本近代文学研究者.小説作品に『フラミンゴの村』(すばる文学賞),『文字の消息』他.ジェイ・ルービン編,村上春樹序文にて英語圏で刊行された The Penguin Book of Japanese Short Stories(Penguin Classics, 2018)に,芥川や谷崎潤一郎,三島由紀夫,津島佑子らと並んで短篇‘Filling Up with Sugar’ が採録されている.研究者としての専門は芥川龍之介.

柴田元幸(しばた もとゆき)
1954年生,翻訳家・東京大学名誉教授・米文学者.雑誌『MONKEY』責任編集.ポール・オースター,スティーヴン・ミルハウザー,レアード・ハント,レベッカ・ブラウンなどの現代作家から,ジャック・ロンドン,ジョゼフ・コンラッドなど古典的作家まで訳書多数.代表的訳書としてマーク・トウェイン『ハックルベリー・フィンの冒けん』など.数々のエッセイ集や翻訳論などでも知られる.


【訳者紹介】(登場順)

畔柳和代(くろやなぎ かずよ)
1967年生,翻訳家・東京医科歯科大学教授(米文学).訳書にオースター共訳やエムシュウィラー『すべての終わりの始まり』,アトウッド『オリクスとクレイク』,バーネット『小公女』『秘密の花園』,ウェブスター『続あしながおじさん』他.

岸本佐知子(きしもと さちこ)
1960年生,翻訳家.訳書にベイカー,ウィンターソン,デイヴィス,ジュライなど多数.近刊にジュライ『最初の悪い男』.編訳アンソロジーに『変愛小説集』『コドモノセカイ』他.著書に『気になる部分』『なんらかの事情』他.

藤井 光(ふじい ひかる)
1980年生,翻訳家・同志社大学准教授(米文学).訳書にジョンソン『煙の樹』,ダレル『アヴィニョン五重奏』,オブレヒト『タイガーズ・ワイフ』,ドーア『すべての見えない光』,マカーイ『戦時の音楽』他.著書に『ターミナルから荒れ地へ』.

西崎 憲(にしざき けん)
1955年生,翻訳家・作家・アンソロジスト.文学ムック『たべるのがおそい』編集長.編訳書に『怪奇小説日和』『短篇小説日和』『ヘミングウェイ短篇集』他,英米の怪奇・幻想物を中心に多数.小説作品に『蕃東国年代記』『飛行士と東京の雨の森』他.

都甲幸治(とこう こうじ)
1969年生,翻訳家・早稲田大学教授(米文学).訳書にディアス『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』(共訳)『わたしの島をさがして』,ブコウスキー『勝手に生きろ!』他.著書に『今を生きる人のための世界文学案内』他.

大森 望(おおもり のぞみ)
1961年生,翻訳家・評論家・アンソロジスト.ディック,ベイリー,ウィリス,ラッカー,ヴォネガット他,SFを中心に多数の訳書・編著書がある.近刊にヴォネガット『人みな眠りて』.

若島 正(わかしま ただし)
1952年生,翻訳家・京都大学名誉教授(米文学).ナボコフやパワーズ,またスタージョンなどのSF,ミステリも含め訳書多数.近刊にナボコフ『アーダ』.著書に「乱視読者」シリーズ,また詰将棋・チェス関連の著作でも知られる.

谷崎由依(たにざき ゆい)
1978年生,作家・翻訳家・近畿大学准教授(文学).訳書にイーガン『ならずものがやってくる』,ホワイトヘッド『地下鉄道』他.小説作品に『舞い落ちる村』(文學界新人賞受賞作),『囚われの島』『鏡のなかのアジア』他.

森 慎一郎(もり しんいちろう)
1972年生,翻訳家・京都大学准教授(米文学).訳書にグレイ『ラナーク――四巻からなる伝記』,フランゼン『フリーダム』,フィッツジェラルド『夜はやさし』他.

書評情報

怪と幽 vol.3(2019年12月19日発行)(評者:東 雅夫さん)
西日本新聞 2019年2月16日
北海道新聞 2019年2月3日
CREA 2019年4月号
ダ・ヴィンチ 2019年4月号
週刊読書人 2019年2月8日
図書新聞 第3386号(2019年2月9日)
読売新聞(朝刊) 2018年12月25日(評者:澤西祐典さん)
読売新聞(朝刊) 2018年12月23日
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