社会科学と因果分析

ウェーバーの方法論から知の現在へ

社会科学とは何をする学問か.従来のウェーバー像とは大きく異なるその社会学の姿を明らかにしつつ考える.

社会科学と因果分析
著者 佐藤 俊樹
ジャンル 書籍 > 単行本 > 社会
刊行日 2019/01/29
ISBN 9784000613156
Cコード 0036
体裁 四六 ・ 上製 ・ カバー ・ 438頁
定価 3,080円
在庫 在庫あり
マックス・ウェーバーは,社会科学全体の創始者の一人である.その因果分析の方法論が,百年後の社会科学における最先端の展開や論争,統計的因果推論等の手法にそのままつながっているとしたら? それが文科系/理科系の分類を超え出ているとしたら? 従来のウェーバー像とは大きく異なるその学問の姿を明らかにする.
はしがき この本の主題と構成,そして読み方案内

第一章 社会科学とは何か
 [第一回]社会科学は何をする?
 [第二回]人文学と自然科学の間で
  【コラム1】 ウェーバーの方法論の研究史

第二章 百年の螺旋
 [第三回]リッカートの文化科学――価値関係づけの円環
 [第四回]機能主義と因果の推論――制度のしくみと意味
 [第五回]システムと文化科学と二項コード――現代の座標系から

第三章 適合的因果の方法
 [第六回]歴史の一回性と因果――リッカートからフォン・クリースへ(1)
 [第七回]適合的因果と反実仮想――リッカートからフォン・クリースへ(2)
 [第八回]「法則論的/存在論的」――「客観的可能性」の考察(1)
 [第九回]「事実」と知識――「客観的可能性」の考察(2)
 [第一〇回]量子力学と経験論――「客観的可能性」の考察(3)
  【コラム2】骰子の目の法則論(ノモロジー)と存在論(オントロジー)

第四章 歴史と比較
 [第一一回]日常会話の可能世界――因果分析の方法論(1)
 [第一二回]歴史学者の思考実験――因果分析の方法論(2)
 [第一三回]自然の科学と社会の科学――経験的探究としての社会科学(1)
 [第一四回]比較社会学への展開――経験的探究としての社会科学(2)
  【コラム3】一九世紀の統計学と社会学

第五章 社会の観察と因果分析
 [第一五回]法則論的知識と因果推論
 [第一六回]社会科学と反事実的因果
 [第一七回]因果効果と比較研究
  【コラム4】三月革命の適合的因果と期待値演算
 [第一八回]事例研究への意義
 [第一九回]ウェーバーの方法論の位置
 [第二〇回]社会科学の現在 閉じることと開くこと

あとがき

索 引(事項/人名)
佐藤俊樹(さとう としき)
1963年生まれ.東京大学大学院社会学研究科博士課程退学.博士(社会学).東京大学大学院総合文化研究科教授.比較社会学,日本社会論.著書に『近代・組織・資本主義――日本と西欧における近代の地平』,『社会学の方法――その歴史と構造』(以上,ミネルヴァ書房),『意味とシステム――ルーマンをめぐる理論社会学的探究』(勁草書房),『社会は情報化の夢を見る――[新世紀版]ノイマンの夢・近代の欲望』(河出文庫),『格差ゲームの時代』(中公文庫),『不平等社会日本――さよなら総中流』(中公新書),『桜が創った「日本」――ソメイヨシノ起源への旅』(岩波新書)など.

書評情報

毎日新聞(朝刊) 2019年12月15日(評者:松原隆一郎さん)
日本経済新聞(朝刊) 2019年8月31日
毎日新聞(朝刊) 2019年3月31日(評者:松原隆一郎さん)
朝日新聞(朝刊) 2019年3月30日(評者:齋藤純一さん)
読売新聞(朝刊) 2019年3月24日(評者:鈴木洋仁さん)
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