岩波科学ライブラリー

素数物語

アイディアの饗宴

すべての数は素数からできている.「素数定理」の発見に至る数学史の巨人たちの驚きの発想を語り尽くす.

素数物語
著者 中村 滋
通し番号 283
ジャンル 書籍 > 自然科学書 > 岩波科学ライブラリー
書籍 > 岩波科学ライブラリー > 数学
シリーズ 岩波科学ライブラリー
刊行日 2019/03/13
ISBN 9784000296830
Cコード 0341
体裁 B6 ・ 並製 ・ カバー ・ 146頁
定価 1,430円
在庫 在庫あり
すべての数は素数からできている.その性質を深く調べてみると,円周率π,虚数iなどの高級な数学と結びつく不思議で魅力的な数でもある.フェルマー,オイラー,ガウスなど数学史の巨人たちがその秘密の解明にどれだけ情熱を傾けたか.彼らの足跡をたどりながら,素数の発見から「素数定理」の発見までの驚きの発想を語り尽くす.
はじめに

序 章 素数の不思議な世界
 §1 新しい素数の発見がニュースになった日
 §2 素数は4000 年以上前から知られていたらしい
 §3 初期ギリシア数学における素数

第1章 予備知識
 §4 約数,倍数
 §5 最大公約数,最小公倍数
 §6 素数,合成数,標準分解
 §7 合同式

第2章 人間理性の金字塔エウクレイデス
 §8 エウクレイデスの『原論』
 §9 エウクレイデスの素数定理
 §10 完全数の基本定理

第3章フェルマーと仲間たち
 §11 フェルマーとその時代
 §12 天才フェルマーの勝利
 §13 そしてドラマは始まった

第4章 “数学の独眼竜”オイラーの片眼が見た世界
 §14 恐るべき片眼の計算鬼
 §15 オイラーの世界
 §16 オイラーの定理とその応用

第5章 “数学者の王”ガウス
 §17 話す前から計算していた天才少年
 §18 「素数定理」の発見
 §19 双子素数をめぐる新しい動き

付 録
 §A ガウス晩年の手紙
 §B 素数の個数とそのグラフ
 §C 10,000 までの素数表
 §D 問の答


《素数のトリヴィア》
 1 やっかいな素数「7」
 2 素数ゼミの秘密
 3 効率の良い素因数分解
 4 「メルセンヌ素数」の現状
 5 非メルセンヌ素数の「最大素数」の記録
 6 「フェルマー素数」の現状報告
 7 最大の「双子素数」の記録


《すばらしいアイディア》
 1 エラトステネスの篩
 2 エウクレイデスの素数定理の証明
 3 エウクレイデスの素数定理の最近得られた新証明たち
 4 偶数の完全数はエウクレイデスタイプに限られる
 5 無限降下法
 6 エウクレイデスの素数定理の史上2 番目の証明
 7 調和級数が発散することの証明
  14世紀のニコール・オレムvs 21 世紀の最新版
 8 オイラーの定理の証明
 9 オイラー自身の論法
 10 エウクレイデスの素数定理のオイラーによる証明
 11 フェルマーオイラーの定理の“ワン・センテンス証明”
 12 天才少年ガウスが素数定理に気づくまで
 13 スーパー双子素数の個数に関する髙橋予想


あとがき135
中村滋(なかむら しげる)
1943年生まれ.1965年東京大学理学部数学科卒.1967年東京大学大学院理学系研究科数学専攻修士課程修了.理学修士.東京商船大学商船学部(現東京海洋大学海洋工学部)教授などを経て,現在,東京海洋大学名誉教授,日本フィボナッチ協会副代表.
著書として,『フィボナッチ数の小宇宙(ミクロコスモス)――フィボナッチ数,リュカ数,黄金分割(改訂版)』『数学史の小窓』(日本評論社),『微分積分学21講――天才たちのアイディアによる教養数学』(東京図書),『数学の花束』(岩波書店),『円周率――歴史と数理』(共立出版),『数学史――数学5000年の歩み』(室井和男との共著,共立出版)など.

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