やっぱり悲劇だった

「わからない」演劇へのオマージュ

知らない,わからない,考えない,関係ない.こうして喜劇は日常茶飯.だから,あなたのそばには演劇が!

やっぱり悲劇だった
著者 三浦 基
ジャンル 書籍 > 単行本 > 芸術
刊行日 2019/03/19
ISBN 9784000253581
Cコード 0074
体裁 四六 ・ 上製 ・ カバー ・ 210頁
定価 3,080円
在庫 在庫あり
知らない,わからない,考えない,どーでもいい,関係ない.こうして喜劇は日常に満ちている.だから,あなたのそばには演劇が! 心ないわかりやすいフレーズ,時間で成立する熟議,中身のない丁寧な説明……舞台はあそこでも,ここでも.参加してみよう,わっしょい! まず,「ぜんっぜんわからねー」と叫ぶことから.
まえがき──なぜ,「わからない」のか?


 生身の観客
 走り続ける1 駈込ミ訴ヘ
 走り続ける2 悪霊
 覚えられない台詞──イェリネク『スポーツ劇』の稽古場で考える
 悲劇だった.

II
 3月11日は初日だった.
 日本現代演劇の変
 戯曲とは何か.ナボコフの応答.

小文(エッセイ)
 祖父と基督
 うまいぞ! ロシア
 寂しいパリ
 「わたしはあなたを愛している」と,言えるのか?
 椅子とか,椅子とか,新作とか,
 床問題
 『CHITEN の近現代語』という物語
 呼吸の実感
 演劇がリアリズムであること
 私は演劇人だ.
 中国はわかっている.演劇は危険だと.
 普通の演劇

III
 なぜスタニスラフスキー・システムではダメなのか?
 アクチュアリティとは何か? ──『CHITENの近未来語 2016年8月9日版』から考える 自殺の理由
 沈黙の国の演劇

わかる・わからない問題は,いつ解決するのか?──あとがきにかえて初出一覧
三浦基(みうら もとい)
劇団「地点」代表,演出家.1973年生.桐朋学園芸術短期大学演劇科・専攻科卒業.96年,青年団入団,演出部所属.99年より2年間,文化庁派遣芸術家在外研修員としてパリに滞在する.帰国後,地点の活動を本格化.2005年,青年団より独立,活動拠点を東京から京都へ移す.同年,チェーホフ作『かもめ』で利賀演出家コンクール優秀賞受賞.06年,ミラー作『るつぼ』でカイロ国際実験演劇祭ベスト・セノグラフィー賞受賞.07年,チェーホフ作『桜の園』で文化庁芸術祭新人賞受賞.17年,イプセン作『ヘッダ・ガブラー』で読売演劇大賞選考委員特別賞受賞.ほか,京都府文化賞奨励賞(11年),京都市芸術新人賞(12年)など受賞多数.12年にはロンドン・グローブ座からの招聘でシェイクスピア作『コリオレイナス』を上演するなど海外でも高く評価されている.著書に『おもしろければOKか? 現代演劇考』(五柳書院).
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