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がん免疫療法とは何か

PD-1抗体の発見は,がん治療の考え方を一変させた.画期的治療法を主導する著者が研究の歩みを語る.

がん免疫療法とは何か
著者 本庶 佑
通し番号 新赤版 1768
ジャンル 書籍 > 岩波新書 > 福祉・医療
刊行日 2019/04/19
ISBN 9784004317685
Cコード 0247
体裁 新書 ・ 222頁
在庫 在庫あり
PD-1抗体による免疫療法は,がん治療の考え方を根本から変えた.偶然の発見を画期的治療法の開発へと導いた著者の研究の歩みをたどりながら,生命現象の不思議,未知の世界に挑むサイエンスの醍醐味,そして「いのち」の思想から日本の医療の未来まで幅広く論じる.ノーベル賞授賞式後の記念スピーチも収録する.
はじめに

第1章 免疫の不思議
 生命システムの一般則/多細胞生物体の特徴/免疫のしくみ/獲得免疫の原理/特異性と制御/免疫の全体統御

第2章 PD―1抗体でがんは治る
 1 革新的がん免疫療法の誕生
 2 免疫学の発展とがん免疫療法のたどった道
 3 PD―1抗体治療の研究・開発の歴史
 4 PD―1抗体治療の今後の課題
 5 基礎研究の重要性――アカデミアと企業の関係を考える

第3章 いのちとは何か
 1 幸福感の生物学
 2 ゲノム帝国主義
 3 有限のゲノムの壁を超えるしくみⅠ――流動性
 4 有限のゲノムの壁を超えるしくみⅡ――時空間の階層性
 5 ゲノムに刻まれる免疫系の〈記憶〉
 6 内なる無限――増え続ける生物種
 7 生・老・病・死
 8 がん,細胞と個体の悩ましき相克
 9 心の理解への長い道
 10 生命科学の未来

第4章 社会のなかの生命医科学研究
 1 現代の生命科学の置かれた位置/生命科学と医療のあいだ/医療・生命科学の社会実装/医学研究への投資/生命医科学研究における競争/国民の生命医科学への理解を深める

第5章 日本の医療の未来を考える
 世紀医療フォーラム/国民皆保険制度の維持に向けて/医療をめぐる環境変化と課題/医師不足は本当か/終末期医療と死生観/治療から予防へ


参考文献

ノーベル生理学医学賞受賞晩餐会スピーチ

おわりに
世紀医療フォーラムについて(阪田英也)
本庶 佑(ほんじょ たすく)
1942年生まれ.京都大学医学部卒業,同大学院医学研究科博士課程修了,カーネギー研究所招聘研究員,アメリカ国立衛生研究所客員研究員,東京大学医学部助手,大阪大学医学部教授,京都大学医学部教授などをへて
現在―京都大学高等研究院副院長・特別教授
専攻―分子免疫学
著書―『ゲノムが語る生命像――現代人のための最新・生命科学入門』(講談社ブルーバックス),『免疫と血液の科学』(岩波講座現代医学の基礎8,共編,岩波書店),『生命体のまもり方』(岩波講座分子生物科学11,編集,岩波書店)ほか
2018年ノーベル生理学医学賞受賞

書評情報

読売新聞(夕刊) 2019年7月27日
産経新聞 2019年6月29日
日本経済新聞(朝刊) 2019年6月22日
東京新聞(朝刊) 2019年6月16日

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