プリーモ・レーヴィ全詩集

予期せぬ時に

プリーモ・レーヴィ全詩集
著者 プリーモ・レーヴィ , 竹山 博英
ジャンル 書籍 > 単行本 > 文学・文学論
刊行日 2019/07/23
ISBN 9784000613538
Cコード 0098
体裁 四六 ・ 上製 ・ カバー ・ 270頁
定価 3,080円
在庫 在庫あり
「人の苦しみはみな自分のものだから」――絶滅収容所から生還し『これが人間か』『休戦』を書いた作家は,生前1冊の詩集を遺した.予期せぬ時に訪れる詩の衝動.アイヒマンに語りかけ,広島の少女のことを想い,生き残ることの罪悪感を抱えながら,世界に溢れる苦しみに寄りそい,歌う.レーヴィ生誕百年に贈る,存在を揺さぶる94篇.
予期せぬ時に
 クレシェンツァーゴ
 ブ ナ
 歌
 一九四四年二月二五日
 烏の歌
 聞け(シェマー)
 起 床
 月曜日
 また別の月曜日
 R・M・リルケより
 東方ユダヤ人
 フォッソリの落日
 一九四六年二月一一日
 氷 河
 魔 女
 アヴィリアーナ
 待 機
 墓碑銘
 烏の歌(II)
 百人の男たち
 アドルフ・アイヒマンへ
 最後の顕現
 上 陸
 リリス
 始原に
 チーニャ街
 黒い星
 いとまごい
 プリニウス
 ポンペイの少女
 ワイナ・カパック
 セッティモのカモメ
 受胎告知
 谷底へ
 木の心
 初めての世界地図
 一九八〇年七月一二日
 黒い群れ
 自叙伝
 声
 未決書類
 パルティージャ
 アラクネー
 二〇〇〇年
 過越の祭
 退役船
 老いたモグラ
 ある橋
 作 品
 ネズミ
 夜
 夜衛(ナハトヴァッヘ)
 リュウゼツラン
 真珠貝
 カタツムリ
 ある仕事
 逃 亡
 生き残り
 象
 星界の報告
 おれたちにくれ
 チェス
 敬 虔
 チェス(II)


その他の詩集
 ムーサに
 ガルヴァーニ家
 十種競技者
 ほこり
 ある谷
 備忘録
 懸案の責務
 無益に死んだ死者たちの歌
 雪解け
 サムソン
 デリラ
 空 港
 裁きの場で
 泥 棒
 友人たちに
 代理委任
 八 月
 ハ エ
 ヒトコブラクダ
 暦
 マリオとヌートに


翻訳詩集
 サー・パトリック・スペンス
 (私は夢で変に格好をつけた小男を見た……)
 (モミの木がただ一本……)
 (彼女が激しい愛を誓ってくれた……)
 (夜は静かで,路地は眠り込んでいる……)
 (親愛なる友よ,君は恋の罠に落ちた……)
 (我らの世界はあまりにもばらばらだ……)
 ドンニャ・クララ
 浜辺の夜
 反 歌


原 注
訳者解説
プリーモ・レーヴィ(Primo Levi)
1919年イタリア,トリーノ生まれ.トリーノ大学で化学を修める.43年ドイツ軍のトリーノ占領を機にパルチザンに参加するが捕らえられ,44年アウシュヴィッツ強制収容所に送られる.45年に解放されソ連各地を転々とした後帰国.トリーノの化学工場に化学技師として勤めながら,強制収容所での体験を主題とした小説を発表し,作家としての地位を確立.その後も技師として働きながら次々に作品を発表した.87年に自死.邦訳書に『これが人間か(アウシュヴィッツは終わらない)』(朝日選書),『休戦』(岩波文庫),『天使の蝶』(光文社古典新訳文庫),『周期律――元素追想』(工作舎),『リリス――アウシュヴィッツで見た幻想』(晃洋書房),『溺れるものと救われるもの』(朝日選書)など.


竹山博英(たけやま ひろひで)
1948年東京生まれ.東京外国語大学ロマンス系言語専攻科修了.立命館大学名誉教授.著書に『ローマの泉の物語』(集英社新書),『プリーモ・レーヴィ――アウシュヴィッツを考えぬいた作家』(言叢社)など.訳書にプリーモ・レーヴィの諸作品のほか,カルロ・ギンズブルグ『闇の歴史――サバトの解読』(せりか書房),フェデリーコ・フェリーニ/リータ・チリオ『映画監督という仕事』(筑摩書房),カルロ・レーヴィ『キリストはエボリで止まった』(岩波文庫)など.

書評情報

京都新聞(朝刊) 2019年10月2日(「翻訳者・竹山博英さんに聞く」)
朝日新聞(朝刊) 2019年8月28日(評者:小野正嗣さん)
西日本新聞 2019年8月24日
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