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リベラル・デモクラシーの現在

「ネオリベラル」と「イリベラル」のはざまで

戦後西側諸国の共通基準であったデモクラシー像が危機に直面するなか,座標軸をどこに求めたらよいか.

リベラル・デモクラシーの現在
著者 樋口 陽一
通し番号 新赤版 1817
ジャンル 書籍 > 岩波新書 > 政治
刊行日 2019/12/20
ISBN 9784004318170
Cコード 0231
体裁 新書 ・ 202頁
在庫 在庫あり
戦後西側諸国の憲法の共通基準であったリベラル・デモクラシーが,「ネオリベラル」と「イリベラル」の挟撃を受けて世界的な危機に直面している.トランプ現象,イギリスのEU離脱をめぐる混迷,日本の改憲論議などを前に,戦後知識人たちの言説を手がかりにしつつ,私たちの座標軸をどこに求めるべきか考える.1979年以降21世紀まで,10年刻みで岩波新書を刊行してきた著者が新たに問う.
はじめに


Ⅰ リベラル・デモクラシーの展開,そしてその現在―― 一九四五‐一九八九‐二〇一九
 0 前提:「リベラル」の論理と「デモクラシー」の論理――「リベラル」の制度化としての「立憲」
 1 ポスト一九四五憲法基準としてのリベラル・デモクラシー――〈リベラル〉デモクラシーとリベラル〈デモクラシー〉
 2 国境を越える「ネオリベラル」化の中の「イリベラル」――非西欧世界からの拡散
 3 「イリベラル」+「ネオリベラル」vs.「リベラル」


Ⅱ 戦後民主主義をどう引き継ぐか――遺産の正と負
 0 前提:日高社会学がいま持つ意味
 1 日高『国策転換に関する所見』(一九四五・七)から「戦後」へ
 2 一九六〇年代:高度成長と「民主主義」――順接続と逆接続
 3 一九七〇年代以降:「経済大国」の盛衰と憲法


Ⅲ 「近代化モデル」としての日本――何が,どんな意味で
 0 前提:あらためて「四つの八九年」
 1 「西洋化ぬきの近代化」vs.雑種としての憲法文化―― 一八八九年憲法と「和魂洋才」論
 2 二〇一二自由民主党「憲法改正草案」――脱近代憲法としてのモデル性
 3 法改正,とりわけ憲法改正の作法と没作法


おわりに
樋口陽一(ひぐち よういち)
1934年生まれ.憲法専攻.1957年東北大学法学部卒業.東北大学法学部,パリ第2大学,東京大学法学部,上智大学法学部,早稲田大学法学部などで教授・客員教授を歴任.日本学士院会員.
主要著作─『近代立憲主義と現代国家』(1973年,勁草書房),『比較のなかの日本国憲法』(1979年,岩波新書),『自由と国家──いま「憲法」のもつ意味』(1989年,岩波新書),『憲法と国家──同時代を問う』(1999年,岩波新書),『憲法という作為──「人」と「市民」の連関と緊張』(2009年,岩波書店),『抑止力としての憲法──再び立憲主義について』(2017年,岩波書店)他多数.

書評情報

週刊エコノミスト 2020年3月17日号(「Book Review」欄、評者:高橋克秀さん)
週刊エコノミスト 2020年3月17日号(「読書日記」欄、評者:孫崎 亨さん)
公明新聞 2020年3月9日(評者:駒村圭吾さん)

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