電子書籍対応

ものがたり日本音楽史

縄文の楽器から,雅楽・能楽・歌舞伎・文楽,現代邦楽まで――日本音楽と日本史の流れがわかる充実の一冊!

ものがたり日本音楽史
著者 徳丸 吉彦
通し番号 909
ジャンル 書籍 > 岩波ジュニア新書 > 歴史
刊行日 2019/12/20
ISBN 9784005009091
Cコード 0273
体裁 新書 ・ 242頁
在庫 在庫あり
はるか縄文の昔から,日本にはさまざまな音楽が培われてきました.素朴な鈴や石の笛に始まり,仏教音楽の伝来,雅楽・能楽・歌舞伎・文楽の誕生と変化,文明開化による西洋音楽の導入,そして現代邦楽――.政治や宗教とも深く結びついた音楽の歴史をたどれば,日本の歴史の流れも見えてきます.コンパクトで濃厚な決定版!
第一章 古 代
 (一)音楽の定義/(二)楽器の定義と縄文時代の楽器/(三)弥生時代の楽器/(四)倭国の対外関係と音楽/(五)文字・儒教の導入と音楽/(六)仏教の導入と音楽/(七)音楽伝承の制度化/(八)大仏建立と音楽/(九)鐘の響き/(一〇)東大寺の修二会/(一一)音高についての古代の理論/(一二)声明/(一三)奈良から京都へ―― 平安時代の始まり/(一四)平安時代の音楽のあり方/(一五)雅楽の楽器とiv合奏/(一六)雅楽での音高と時間の合わせ方/(一七)中央と地方の文化的な交流と歌の役割


第二章 中 世
 (一)中世という時代/(二)中世に共通する特徴/(三)中世に盛んになった歌/(四)日本最初の語り物――平家/(五)日本最初の楽劇――能楽


第三章 近 世
 (一)近世という時代/(二)琉球の音楽/(三)アイヌ音楽/(四)日本本土の音楽に共通する特徴/(五)近世の楽器としての三味線/(六)箏曲・胡弓・尺八/(七)歌舞伎における囃子/(八)七弦琴・一弦琴・二弦琴/(九)近世での外国音楽への関心


第四章 近 代
 (一)明治時代の文明開化/(二)教育における文明開化/(三)神道の役割強化と音楽の利用/(四)神道のための雅楽の重視/(五)社会変革を乗り越えた能楽/(六)解体された当道座と普化宗/(七)文明開化のための西洋音楽の導入/(八)近代の日本音楽の状況/(九)近代における三曲界と文化触変/(一〇)日本音楽の新しい記譜法/(一一)近代末期の状況


第五章 現 代
 (一)敗戦国日本と音楽/(二)民謡と民俗芸能/(三)戦後の伝統音楽/(四)伝統音楽における文化触変/(五)音楽の活性化と公的組織/(六)これからの日本音楽の状況


あとがき

索 引(事項索引,人名索引,曲名・旋律型索引)
徳丸吉彦(とくまる よしひこ)
1936年,東京生まれ.聖徳大学教授,お茶の水女子大学名誉教授.音楽学,とくに民族音楽学を専攻.日本とアジアの音楽を国内外で紹介.
日本音楽と西洋音楽を愛好する家庭で育つが,戦争で家が焼かれて三味線もピアノもなくなったために,音楽を始めたのは遅かった.しかし子供の頃から音楽と音楽に対する考え方が多様であることを意識し,日本音楽に対する日本社会の扱いに疑問を抱いていたことが,本書を執筆するきっかけになった.
著書に『三味線音楽の旋律的様相』(仏語,ペーテルス,2000),『音楽とはなにか――理論と現場の間から』(岩波書店,2008),『ミュージックスとの付き合い方――民族音楽学の拡がり』(左右社,2016),共編に『ガーランド世界音楽事典7 東アジア』(英語,ラウトリッジ,2002)など多数.

書評情報

学校図書館速報版 2020年5月15日(第2055号)
信濃毎日新聞 2020年3月8日(評者:渡辺十絲子さん)
毎日新聞(朝刊) 2020年3月1日(「今週の本棚」欄、評者:村上陽一郎さん)
週刊朝日 2020年3月6日号
朝日新聞(朝刊) 2020年2月1日

受賞情報

第74回毎日出版文化賞[特別賞](2020年)

電子書籍

価格は各電子書籍書店にてご確認ください

ページトップへ戻る