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哲学の起源

古代イオニアのイソノミア(無支配)に、自由かつ平等な社会の起源をみる社会構成体の歴史刷新の試み。

哲学の起源
著者 柄谷 行人
通し番号 学術413
ジャンル 書籍 > 岩波現代文庫 > 学術
刊行日 2020/01/16
ISBN 9784006004132
Cコード 0110
体裁 A6 ・ 並製 ・ 272頁
在庫 在庫あり
デモクラシーの理想とされるアテネの直接民主制は、実は自由ゆえに平等であった古代イオニアのイソノミア(無支配)再建の企てであった。イオニアの自然哲学をイソノミアの記憶を保持するものとして読み解き、アテネ中心のデモクラシー神話を解体する。『世界史の構造』を経て、社会構成体の歴史の起源を刷新する野心的試み。
はじめに


序 論
 1 普遍宗教
 2 倫理的預言者
 3 模範的預言者

第一章 イオニアの社会と思想
 1 アテネとイオニア
 2 イソノミアとデモクラシー
 3 アテネのデモクラシー
 4 国家と民主主義
 5 植民とイソノミア
 6 アイスランドと北アメリカ
 7 イソノミアと評議会

第二章 イオニア自然哲学の背景
 1 自然哲学と倫理
 2 ヒポクラテス
 3 ヘロドトス
 4 ホメロス
 5 ヘシオドス

第三章 イオニア自然哲学の特質
 1 宗教批判
 2 運動する物質
 3 制作と生成

第四章 イオニア没落後の思想
 1 ピタゴラス
  a 輪廻の観念
  b 二重世界
  c 数学と音楽
 2 ヘラクレイトス
  a 反民衆的
  b 反ピタゴラス
 3 パルメニデス
  a ヘラクレイトスとパルメニデス
  b ピタゴラス批判
  c 間接証明
 4 エレア派以後
  a エンペドクレス
  b 原子論
  c ポリスからコスモポリスへ

第五章 アテネ帝国とソクラテス
 1 アテネ帝国と民主政
 2 ソフィストと弁論の支配
 3 ソクラテスの裁判
 4 ソクラテスの謎
 5 ダイモン
 6 ソクラテスの問答法
 7 プラトンとピタゴラス
 8 哲人王
 9 イソノミアと哲人王



附録 『世界史の構造』から『哲学の起源』へ
岩波現代文庫版あとがき
古代ギリシア関連地図/古代ギリシア史年表/思想家年表
柄谷行人(Kojin Karatani)
1941年兵庫県尼崎市生まれ。評論家。東京大学大学院英文学修士課程修了。法政大学教授、近畿大学教授、コロンビア大学客員教授を歴任。著書に『定本日本近代文学の起源』『トランスクリティーク―カントとマルクス』『世界史の構造』(以上、岩波現代文庫)ほか多数。

書評情報

聖教新聞 2020年4月8日
公明新聞 2020年3月2日
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