ロールズ政治哲学史講義 I

ロールズがハーバードで行った講義録。政治哲学史上有名な八人の理論家を独自の視点からとりあげる。

ロールズ政治哲学史講義 I
著者 ジョン・ロールズ , サミュエル・フリーマン , 齋藤 純一 , 佐藤 正志 , 山岡 龍一 , 谷澤 正嗣 , 髙山 裕二 , 小田川 大典
通し番号 学術420
ジャンル 書籍 > 岩波現代文庫 > 学術
刊行日 2020/04/16
ISBN 9784006004200
Cコード 0110
体裁 A6 ・ 並製 ・ 542頁
定価 2,068円
在庫 在庫あり
ロールズが退職するまで三十年間ハーバード大学で行った「近代政治哲学」講座の講義録。自らの〈公正としての正義〉という構想に照らして、リベラリズムの伝統をつくった八人の理論家(ホッブズ、ロック、ヒューム、ルソー、ミル、マルクス、シジウィック、バトラー)を取り上げて解説する。『正義論』読解に不可欠の書。
編者の緒言
序 言
凡 例
引用文献


序論――政治哲学についての見解
 第一節 政治哲学をめぐる四つの問い
 第二節 政治哲学の四つの役割
 第三節 リベラリズムの主要な観念――その源泉と内容
 第四節 リベラリズムの中心テーゼ
 第五節 初期状況


ホッブズ
講義Ⅰ ホッブズの世俗的道徳主義と社会契約の役割
 第一節 序 論
 第二節 ホッブズの世俗的道徳主義
 第三節 自然状態と社会契約の解釈
 補遺A 自然状態を不安定にする人間本性の特徴(ハンドアウト)
 補遺B
 補遺C 寛大な本性の理念に関連した箇所
講義Ⅱ 人間本性と自然状態
 第一節 はじめに
 第二節 人間本性の主要な特徴
 第三節 ホッブズの命題のための議論
 補遺A 自然状態→戦争状態というホッブズの主張のアウトライン(ハンドアウト)
講義Ⅲ 実践的推論についてのホッブズの説明
 第一節 理に適っていることと合理的であること
 第二節 市民和合の理に適った条項の合理的基礎
 補遺A ホッブズにおいて道徳的義務は存在するかどうか
 補遺B ホッブズの自然法――『リヴァイアサン』第一四 ― 一五章
講義Ⅳ 主権者の役割と権力
 ホッブズと立憲デモクラシーについての結語
 補遺A 主権者の役割と権力(ハンドアウト)
 補遺B 『市民論』と『リヴァイアサン』の対照について――主権者の再- 制度化
補遺 ホッブズ索引


ロック
講義Ⅰ ロックの自然法の教義
 第一節 序 言
 第二節 自然法の意味
 第三節 根本的自然法
 第四節 平等の状態としての自然状態
 第五節 根本的自然法の内容
 第六節 自然権の基礎としての根本的自然法
講義Ⅱ 正統な体制に関するロックの解釈
 第一節 混合政体下における抵抗
 第二節 正統性に関するロックの基本的な論点
 第三節 正統な政治体制をめぐるロックの基準
 第四節 個々人の政治的責務
 第五節 憲法制定権力と政府の解体
講義Ⅲ 所有権と階級国家
 第一節 問題の提示
 第二節 問題の背景
 第三節 ロックによるフィルマーへの返答Ⅰ――第四章
 第四節 ロックによるフィルマーへの返答Ⅱ――第五章
 第五節 階級国家という問題
 第六節 階級国家の起源に合わせた物語


ヒューム
講義Ⅰ 「原初契約について」
 第一節 序 言
 第二節 ロックの社会契約に対するヒュームの批判
講義Ⅱ 効用、正義、そして賢明な観察者
 第一節 効用の原理についての所見
 第二節 正義という人為的徳
 第三節 賢明な観察者


ルソー
講義Ⅰ 社会契約――その問題
 第一節 序 論
 第二節 政治社会前史の諸段階
 第三節 政治社会と政治的権威の段階
 第四節 社会契約との関連
 補遺A ルソー――人間本性の自然な善性の教義
 補遺B
講義Ⅱ 社会契約――諸仮定と一般意志(一)
 第一節 序 論
 第二節 社会契約
 第三節 一般意志
講義Ⅲ 一般意志(二)と安定性の問題
 第一節 一般意志の観点
 第二節 一般意志――法の支配、正義、平等
 第三節 一般意志と道徳的・政治的自由
 第四節 一般意志と安定性
 第五節 自由と社会契約
 第六節 ルソーの平等に関する諸観念――どの点に特色があるか
ジョン・ロールズ(John Rawls)
1921–2002年。元ハーバード大学教授。

サミュエル・フリーマン(Samuel Freeman)
ペンシルベニア大学教授。


【訳者】

齋藤純一(Junichi Saito)
1958年生。早稲田大学政治経済学術院教授。

佐藤正志(Seishi Sato)
1948年生。早稲田大学名誉教授。

山岡龍一(Ryuichi Yamaoka)
1963年生。放送大学教授。

谷澤正嗣(Masashi Yazawa)
1967年生。早稲田大学政治経済学術院准教授。

髙山裕二(Yuji Takayama)
1979年生。明治大学政治経済学部准教授。

小田川大典(Daisuke Odagawa)
1967年生。岡山大学社会文化科学研究科教授。

書評情報

公明新聞 2020年6月8日
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