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マックス・ヴェーバー

主体的人間の悲喜劇

数多くの名著で知られる知の巨人マックス・ヴェーバー(一八六四―一九二〇)の決定版となる評伝。

マックス・ヴェーバー
著者 今野 元
通し番号 新赤版 1834
ジャンル 書籍 > 岩波新書 > 哲学・思想
刊行日 2020/05/20
ISBN 9784004318347
Cコード 0210
体裁 新書 ・ 262頁
在庫 在庫あり
『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』をはじめ、今も読み継がれる名著を数多く残した知の巨人マックス・ヴェーバー(一八六四―一九二〇)。その作品たちはどのようにして生み出されてきたのか。百花繚乱たるヴェーバー研究に新たな地平を拓く「伝記論的転回」をふまえた、決定版となる評伝がここに誕生!
はじめに――「闘争」の政治学

第一章 主体的人間への成長 一八六四‐一八九二年
 1 絶頂の西洋・勃興するドイツでの誕生
 2 自由主義政治家の家庭での生活
 3 プロテスタント世界での知的冒険
 4 学校での精神的・身体的成長
 5 プロイセン軍での鍛錬

第二章 社会ダーウィニズムへの傾倒 一八九二‐一九〇四年
 1 法学博士号・教授資格の取得
 2 ドイツ東部農業論からポーランド人労働者排除論へ
 3 法学から経済学への重心移動
 4 フライブルク講演『国民国家と経済政策』
 5 ハイデルベルクでの変調と教職からの早期引退

第三章 ドイツ社会への苛立ち 一九〇四‐一九一四年
 1 アメリカ旅行でのドイツ人意識の強化
 2 禁欲的プロテスタンティズムの分析
 3 人種論への更なる興味
 4 「市民層の封建化」批判
 5 「官僚制」批判
 6 学問のあり方をめぐる論争
 7 ロシア自由主義派への愛憎
 8 西洋近代から見た普遍史の展望
 9 「ハイデルベルクのミュトス」と相次ぐ紛争

第四章 ドイツの名誉のための闘い 一九一四‐一九二〇年
 1 世界大戦とドイツ文化の自己保存
 2 戦争遂行のための内政改革構想
 3 ドイツの道義的糾弾への抗議
 4 国民国家再建のための共和国制構想
 5 ミュンヒェンでの一瞬の輝き

終章 マックス・ヴェーバーとアドルフ・ヒトラー

おわりに ヴェーバー研究の伝記論的転回

主要文献一覧
図版出典一覧
マックス・ヴェーバー略年譜
今野 元(こんの はじめ)
1973年生まれ。愛知県立大学外国語学部教授。博士(法学)(東京大学)。Dr. phil.(Humboldt‒Universität zu Berlin)。専門は欧州国際政治史、ドイツ政治思想史、日本近現代史。2002年ベルリン大学第一哲学部歴史学科修了。2005年東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。2006年愛知県立大学外国語学部専任講師、准教授を経て2015年より現職。
著書に、『マックス・ヴェーバー――ある西欧派ドイツ・ナショナリストの生涯』『教皇ベネディクトゥス一六世――「キリスト教的ヨーロッパ」の逆襲』(以上、東京大学出版会)、『多民族国家プロイセンの夢――「青の国際派」とヨーロッパ秩序』『吉野作造と上杉愼吉――日独戦争から大正デモクラシーへ』(以上、名古屋大学出版会)、『フランス革命と神聖ローマ帝国の試煉――大宰相ダールベルクの帝国愛国主義』(岩波書店)などがある。

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