石の肺 僕のアスベスト履歴書

電気工時代の体験と職人仲間の肉声を交え、アスベスト禍の実態と被害者の苦しみを記す。(解説=武田砂鉄)

石の肺 僕のアスベスト履歴書
著者 佐伯 一麦
通し番号 文芸327
ジャンル 書籍 > 岩波現代文庫 > 文芸
刊行日 2020/10/15
ISBN 9784006023270
Cコード 0195
体裁 A6 ・ 並製 ・ カバー ・ 300頁
定価 1,232円
在庫 在庫あり
自身の電気工時代の体験を振り返り、被害の最前線を歩いた作家が、「静かな時限爆弾」アスベスト禍の実態を明らかにした傑作ノンフィクション。著者を襲うアスベスト曝露による胸膜炎。喘息の大発作。止まらぬ咳、熱、重い疲労感。不安と鬱……。職人仲間の肉声を交え、苦しみ続ける被害者の訴えを記す。(解説=武田砂鉄)
はじめに

序 章 国の指導で吹き付けた
第1章 電気工になった日
第2章 二足の草鞋(わらじ)を履く
第3章 ヤバイ現場
第4章 むなしき除去工事
第5章 アスベストとはなにか
第6章 時限爆弾はいつか目覚める
第7章 何をいまさら
第8章 アスベスト禍の原点を訪ねて
第9章 どこにでもある不滅の物質
終 章 親方との一夜

参考文献・取材協力者一覧
十三年目のあとがき(岩波現代文庫版への)
解説「戦禍」の中で ……………武田砂鉄
佐伯一麦(Kazumi Saeki)
作家。1959年仙台市生まれ。仙台第一高校卒。週刊誌記者、電気工など様々な職に就きながら、84年「木を接ぐ」で海燕新人文学賞。小説に『雛の棲家』(福武書店)、『ショート・サーキット』(野間文芸新人賞、講談社文芸文庫)、『ア・ルース・ボーイ』(三島由紀夫賞、小学館P+DBOOKS)、『遠き山に日は落ちて』(木山捷平賞、集英社文庫)、『鉄塔家族』(大佛次郎賞、朝日文庫)、『ノルゲ』(野間文芸賞、講談社文芸文庫)、『還れぬ家』(毎日芸術賞)、『渡良瀬』(伊藤整文学賞。以上、新潮文庫)、『山海記』(芸術選奨文部科学大臣賞、講談社)他。エッセイに『震災と言葉』(岩波ブックレット)、『麦主義者の小説論』(岩波書店)他。
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