都立松沢病院の挑戦

人生100年時代の精神医療

松沢病院140年の歴史と、患者第一、地域を支え地域に支えられる病院を目指す、直近9年間の奮闘の記録。

都立松沢病院の挑戦
著者 齋藤 正彦
ジャンル 書籍 > 単行本 > 社会
刊行日 2020/11/05
ISBN 9784000614337
Cコード 0036
体裁 四六 ・ 並製 ・ カバー ・ 182頁
定価 1,980円
在庫 在庫あり
「患者のために働き、公務員として納税者を納得させる仕事をする」が信条の医師、日本最古の精神科病院で唖然とする! 松沢病院140年の歴史と、直近9年間の奮闘―患者の行動制限最小化、身体拘束ゼロ、地域を支え地域に支えられる病院を目指す―の記録から、10年遅れの日本の精神医療の前に立ちはだかる壁を指摘、将来を展望
はじめに

1 「こころに深呼吸」――緑あふれる精神科の専門病院
 こころに深呼吸/小さな図書室/「おはようございます」/ホスピタリティーというもの

2 松沢病院の歴史と日本の精神医療――一四〇年のカルテから
 病院の創立前後/東京府癲狂院時代、呉院長の誕生まで/呉秀三の改革/戦時下の松沢病院/終戦後の社会情勢と松沢病院/優生論と松沢病院/戦後の優生手術と松沢病院/精神外科手術と松沢病院/一四〇年の歴史を振り返って

3 松沢病院の挑戦――院長着任から九年
 松沢病院長となる/患者の苦しみに対する共感性の欠如ということ/はじめの一年/松沢病院のマーケティング/外来を変える/縛らない精神医療/民間医療機関の依頼を断らない/患者に選ばれる病院をつくろう/改革にともなって起こった出来事

4 松沢病院の現在  残された課題/松沢病院職員の労働生産性/都立病院における業務改善の足かせ/松沢病院の業務改善――働きやすい職場をつくるために/地域を支え、地域に支えられる/重度慢性患者の医療

5 松沢病院とこれからの精神医療
 入院医療から地域医療への構造変化は起こっているのか/精神医療は進歩しているか/松沢病院オープンホスピタル構想/一〇〇年後の松沢病院

おわりに――コロナ禍に一〇〇年後を思う
 松沢病院に残したかったもの/信なくんば立たず/一〇〇年先の精神医療


謝 辞
参考文献
齋藤正彦(さいとう まさひこ)
1952年生まれ。東京大学医学部卒業。都立松沢病院精神科医員、東京大学医学部精神医学教室講師、慶成会青梅慶友病院副院長、慶成会よみうりランド慶友病院副院長、翠会和光病院院長などを経て、2012年から都立松沢病院院長。医学博士、精神保健指定医。主な研究テーマは老年期認知症の医療・介護、高齢者の意思能力、行為能力に関する司法判断。
著書に『親の「ぼけ」に気づいたら』(文春新書)、監修に『家族の認知症に気づいて支える本』(小学館)、編著書に「臨床精神医学講座」『第22巻 精神医学と法』『S5巻 精神医療におけるチームアプローチ』(中山書店)、『認知症医療・ケアのフロンティア』(日本評論社)、『私たちの医療倫理が試されるとき』(ワールドプランニング)などがある。
ページトップへ戻る