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近代日本の音楽百年 第四巻

ジャズの時代

都市中間層を中心とするアメリカ文化の受容のもとで、ジャズは社会に狂騒と混沌をもたらしていった。

ジャズの時代
著者 細川 周平
ジャンル 書籍 > 単行本 > 音楽
シリーズ 近代日本の音楽百年
刊行日 2020/12/16
ISBN 9784000272292
Cコード 3373
体裁 A5 ・ 上製 ・ 函入 ・ 392頁
在庫 在庫あり
震災復興期に登場したジャズは、音楽的な流行に留まらず、ひろく人びとの感受性と思考を変革させる。映画、文学、ファッションなど、都市中間層を中心にアメリカ文化が受容されて行くなかで、ジャズは時代の文化の中心に位置して、新しい風俗すべてと結びあう。ジャズがもたらした日本社会の狂騒と混沌、そのありようを描く。
凡 例

序 章  現地化するジャズ


第一部  本流・支流・傍流

第一章  ジャズ・エイジ
 第一節 ジャズの旅
 第二節 ジャズるひと
 第三節 野蛮と高尚――モダンの両面
 おわりに
第二章  「青 空」
 はじめに
 第一節 歌工場の始動
 第二節 ジャズメンの二つの系譜――たたき上げと大学生
 おわりに
第三章  ジャズ民謡
 はじめに
 第一節 道頓堀スタイル
 第二節 服部スクール――スウィング民謡の誕生
 おわりに
第四章  シンフォニック・ジャズ
 はじめに
 第一節 ジャズ、コンサート・ホールへ行く
 第二節 紙恭輔の活躍
 おわりに


第二部  時代の共感覚

第一章  騒 音
 はじめに――「大東京のジャヅ」
 第一節 帝都復興の槌音
 第二節 楽音と雑音のはざま
 第三節 都市音の隠喩
 おわりに――騒音取締りとジャズ・エイジの終焉
第二章  ナンセンス
 はじめに
 第一節 道化芸の世界化
 第二節 笑えば天国
 第三節 グロとニグロ
 おわりに
第三章  ジャズ文学
 はじめに
 第一節 叢書「世界大都会尖端ジャズ文学」
 第二節 綴りでジャズって――ベン・ヘクトと谷譲次
 第三節 ジャズと物語作法
 第四節 ジャズ詩
 おわりに
第四章  ジャズ論争
 はじめに
 第一節 連携する言説
 第二節 分離する言説
 おわりに


第三部  スウィングの時代

第一章  スウィング
 はじめに――ジャズからスウィングへ
 第一節 熱い芸術
 第二節 黒人音楽家との接触
 第三節 ダンスホールの葛藤
 おわりに
第二章  笠置シヅ子
 はじめに
 第一節 松竹楽劇団
 第二節 アフリカ、チャイナ、大東亜
 おわりに
第三章  ジャズ喫茶
 はじめに
 第一節 複製技術時代の社交
 第二節 レコード喫茶の四元素
 第三節 音盤フェティシズム
 おわりに
第四章  軽音楽
 はじめに
 第一節 音楽の耐えがたい軽さ
 第二節 国民的軽音楽の樹立に向けて
 おわりに
第五章  敵性音楽
 はじめに
 第一節 ジャズを吞み込む
 第二節 「演奏禁止米英音盤一覧表」
 第三節 検閲の強化
 第四節 反ユダヤ・反黒人主義
 おわりに――きのうの敵はいつも友



第四巻参考文献

おわりに――この通史が生まれた頃

第四巻 図・表一覧
索 引
細川周平(ほそかわ しゅうへい)
1955年生まれ。東京芸術大学大学院音楽研究科博士課程修了。現在、国際日本文化研究センター名誉教授。専門分野は近代日本音楽史、日系ブラジル文化史。
著書に、『音楽の記号論』(朝日出版社、1981年)『レコードの美学』(勁草書房、1990年)『サンバの国に演歌は流れる──音楽にみる日系ブラジル移民史』(中公新書、1995年)『シネマ屋、ブラジルを行く──日系移民の郷愁とアイデンティティ』(新潮社、1999年)『遠きにありてつくるもの──日系ブラジル人の思い・ことば・芸能』(みすず書房、2008年、読売文学賞受賞)『日系ブラジル移民文学I・II──日本語の長い旅』(みすず書房、2012・2013年)ほか訳書に、ブルーノ・ネトル『世界音楽の時代』(勁草書房、1989年)ほか

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