-
2021.03.08
世界 2021年4月号
【特集1:デジタル監視体制】【特集2:社会民主主義という選択肢】
■特集1 デジタル監視体制
コロナ禍で深まるさまざまな社会的困難に、デジタル化こそが処方箋であると示されている。
非接触のリモート操作が可能になり、処理は速く、エラーは少なく、コストパフォーマンスも良い。なんといっても新しい成長戦略はデジタルなしに描けない。しかし日本は立ち遅れている。急げ、デジタル社会へ――。
その前のめりの姿勢に、危うさはないか。
市民の社会的自由とプライバシーの保護、そして監視社会化の問題を視野に入れずに、デジタル社会を議論することは、副作用を考えずに劇薬をのむようなものだ。
ここでは、菅政権が企図するデジタル化の、市民社会にとっての危険性を可視化するとともに、デジタル技術を民主主義のツールとして使いこなす方向性も展望したい。
コロナ禍で深まるさまざまな社会的困難に、デジタル化こそが処方箋であると示されている。
非接触のリモート操作が可能になり、処理は速く、エラーは少なく、コストパフォーマンスも良い。なんといっても新しい成長戦略はデジタルなしに描けない。しかし日本は立ち遅れている。急げ、デジタル社会へ――。
その前のめりの姿勢に、危うさはないか。
市民の社会的自由とプライバシーの保護、そして監視社会化の問題を視野に入れずに、デジタル社会を議論することは、副作用を考えずに劇薬をのむようなものだ。
ここでは、菅政権が企図するデジタル化の、市民社会にとっての危険性を可視化するとともに、デジタル技術を民主主義のツールとして使いこなす方向性も展望したい。
┏━━━┓
┃特集1┃デジタル監視体制
┗━━━╋…────────────────────────────────
〈危険すぎる狙い〉
パンデミック監視資本主義の台頭――デジタル網に閉じ込められる私たち
小笠原みどり(ジャーナリスト)
〈提起〉
デジタル庁構想批判の原則を立てる
小倉利丸(批評家)
〈加速する既成事実化〉
実装される監視社会化ツール
武藤糾明(弁護士)
〈市民の行動変容〉
中国デジタル革命と監視社会の行方
倉澤治雄(科学ジャーナリスト)
〈誰がための技術?〉
「個別最適な学び」の何が問題か――ICTがもたらす教育の危機
佐藤隆(都留文科大学)
〈バルセロナの挑戦〉
人々による人々のためのデジタル社会へ――監視社会化に抗する“恐れぬ自治体”
内田聖子(PARC)
┏━━━┓
┃特集2┃社会民主主義という選択肢
┗━━━╋…────────────────────────────────
〈国際的動向〉
変化しつづける社会民主主義――ヨーロッパと日本の経験から
近藤康史(名古屋大学)
〈再生へ〉
私たちは社会民主主義を選ぶ
福島みずほ(社民党党首)× 大椿ゆうこ(社民党副党首)
〈時代のダイナミズム〉
マリン政権はフィンランドの未来を切り開けるか
柴山由理子(東海大学)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆注目記事
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〈手記〉
自治体としてパンデミックに立ち向かう――(上)PCR検査の拡充へ
保坂展人(世田谷区長)
〈調査報道〉
辺野古密約――陸上自衛隊の独走と逸脱
石井暁(共同通信)
〈金融政策と民主主義〉
中央銀行は漂流しているのか?
白川方明(前日銀総裁)
〈福島を撮り続ける〉
原発事故後の一〇年でわかったこと
豊田直巳(フォトジャーナリスト)
〈インタビュー〉
福島・市民測定の一〇年――被曝後の世界を生きるために
鈴木 薫(「たらちね」理事・事務局長)
《アメリカはどう変わるか?》
○バイデン政権の気候変動対策と日本
亀山康子(国立環境研究所)
○対等な日米関係?――第5次アーミテージ・ナイ報告分析
猿田佐世(新外交イニシアティブ)
○核兵器の先制不使用と日本政府
田窪雅文(「核情報」主宰)
〈「平和賞」の裏側で〉
混迷するエチオピア政治――アビィ政権成立とティグライ戦争
眞城百華(上智大学)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇世界の潮
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇ミャンマー政変 その背景と構造
中西嘉宏
◇始動した国際金融センター構想
笠井哲也
◇IR誘致が問う民主主義――住民投票否決と横浜市長選
佐藤百合
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇SEKAI Review of Books
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇フィルム・ノワールの階級政治
渋谷 望(日本女子大学)
◇地域社会の当事者としての在日朝鮮人
山内明美(宮城教育大学)
◇読書の要諦――サイエンス 脱炭素人の踊り
植木不等式(サイエンスライター)
◇【映画】自省するドキュメンタリー ――映画『夜明け前のうた――消された沖縄の障害者』
七沢 潔(ジャーナリスト)
◇【連載】読書会という幸福 第16回 内気な弟子と内気な師匠
向井和美(翻訳家、司書)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●連載
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
----〈短期連載〉-----------
●誰が廃炉にするのか? 廃炉への現実的道筋を提起する(下)
筒井哲郎(プラント技術者の会)
----〈短期集中連載〉-----------
●移民たちのパンデミック 【第1回】
メキシコーー「北」の壁の町で
工藤律子(ジャーナリスト)、撮影=篠田有史
----〈好評連載〉----------
●コロナ戦記 【第7回】
自宅待機ゼロ 墨田区の独行
山岡淳一郎(ノンフィクション作家)
●県境の町【第2回】
日々の営みの中の三月一一日
吉田千亜(ライター)
●但馬日記【第24回】
働き方改革とハラスメントの逆説(パラドクス)――森喜朗氏発言に考える
平田オリザ(劇作家)
----〈最終回〉----------
●すぐそこにある世界 【第25回】
多様性を超えて
師岡カリーマ・エルサムニー
------------------------
●片山善博の「日本を診る」【137】
オリパラ組織委員会新会長選出の正当性を問う
片山善博(早稲田大学)
●メディア批評【第160回】
神保太郎(ジャーナリスト)
●いま、この惑星で起きていること【第16回】
こおりつく出来事
森さやか(気象予報士)
●脳力のレッスン【228】
日本と天皇の始まり――天武・持統期の革命性
寺島実郎
●亡所考 【第4回】
忘却に抗う誓い
北條勝貴(上智大学)
●お許しいただければ
占い(A.A.ミルン)
訳=行方昭夫(英文学者)
●沖縄(シマ)という窓―― 頻発する米軍機低空飛行 見透かされる日本の弱腰
松元剛(琉球新報)
●原発月報(21・1~2)
福島原発事故記録チーム
●ドキュメント激動の南北朝鮮【284】(21・1~2)
編集部
●グラビア 特別招待作品――飯舘村の10年
豊田直巳(フォトジャーナリスト)
●ことわざの惑星
金井真紀(イラストレーター)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
○読者投句・岩波俳句
選・文 池田澄子(俳人)
○アムネスティ通信
○『世界』へ――人生の原点を知った 中央労働学院の日々
藤田庄市(フォトジャーナリスト)
○読者談話室
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
○表紙写真
ロックダウン中のフランス・リヨンの地下鉄にて。スマホを見る女性。2020 年4 月20 日
( 写真提供:Robert DEYRAIL /Gamma-Rapho via Getty Images =共同通信イメージズ)
○デザイン
赤崎正一 + 佐野裕哉 (協力=国府台さくら)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
編集後記
┃特集1┃デジタル監視体制
┗━━━╋…────────────────────────────────
〈危険すぎる狙い〉
パンデミック監視資本主義の台頭――デジタル網に閉じ込められる私たち
小笠原みどり(ジャーナリスト)
〈提起〉
デジタル庁構想批判の原則を立てる
小倉利丸(批評家)
〈加速する既成事実化〉
実装される監視社会化ツール
武藤糾明(弁護士)
〈市民の行動変容〉
中国デジタル革命と監視社会の行方
倉澤治雄(科学ジャーナリスト)
〈誰がための技術?〉
「個別最適な学び」の何が問題か――ICTがもたらす教育の危機
佐藤隆(都留文科大学)
〈バルセロナの挑戦〉
人々による人々のためのデジタル社会へ――監視社会化に抗する“恐れぬ自治体”
内田聖子(PARC)
┏━━━┓
┃特集2┃社会民主主義という選択肢
┗━━━╋…────────────────────────────────
〈国際的動向〉
変化しつづける社会民主主義――ヨーロッパと日本の経験から
近藤康史(名古屋大学)
〈再生へ〉
私たちは社会民主主義を選ぶ
福島みずほ(社民党党首)× 大椿ゆうこ(社民党副党首)
〈時代のダイナミズム〉
マリン政権はフィンランドの未来を切り開けるか
柴山由理子(東海大学)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆注目記事
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〈手記〉
自治体としてパンデミックに立ち向かう――(上)PCR検査の拡充へ
保坂展人(世田谷区長)
〈調査報道〉
辺野古密約――陸上自衛隊の独走と逸脱
石井暁(共同通信)
〈金融政策と民主主義〉
中央銀行は漂流しているのか?
白川方明(前日銀総裁)
〈福島を撮り続ける〉
原発事故後の一〇年でわかったこと
豊田直巳(フォトジャーナリスト)
〈インタビュー〉
福島・市民測定の一〇年――被曝後の世界を生きるために
鈴木 薫(「たらちね」理事・事務局長)
《アメリカはどう変わるか?》
○バイデン政権の気候変動対策と日本
亀山康子(国立環境研究所)
○対等な日米関係?――第5次アーミテージ・ナイ報告分析
猿田佐世(新外交イニシアティブ)
○核兵器の先制不使用と日本政府
田窪雅文(「核情報」主宰)
〈「平和賞」の裏側で〉
混迷するエチオピア政治――アビィ政権成立とティグライ戦争
眞城百華(上智大学)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇世界の潮
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇ミャンマー政変 その背景と構造
中西嘉宏
◇始動した国際金融センター構想
笠井哲也
◇IR誘致が問う民主主義――住民投票否決と横浜市長選
佐藤百合
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇SEKAI Review of Books
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇フィルム・ノワールの階級政治
渋谷 望(日本女子大学)
◇地域社会の当事者としての在日朝鮮人
山内明美(宮城教育大学)
◇読書の要諦――サイエンス 脱炭素人の踊り
植木不等式(サイエンスライター)
◇【映画】自省するドキュメンタリー ――映画『夜明け前のうた――消された沖縄の障害者』
七沢 潔(ジャーナリスト)
◇【連載】読書会という幸福 第16回 内気な弟子と内気な師匠
向井和美(翻訳家、司書)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●連載
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
----〈短期連載〉-----------
●誰が廃炉にするのか? 廃炉への現実的道筋を提起する(下)
筒井哲郎(プラント技術者の会)
----〈短期集中連載〉-----------
●移民たちのパンデミック 【第1回】
メキシコーー「北」の壁の町で
工藤律子(ジャーナリスト)、撮影=篠田有史
----〈好評連載〉----------
●コロナ戦記 【第7回】
自宅待機ゼロ 墨田区の独行
山岡淳一郎(ノンフィクション作家)
●県境の町【第2回】
日々の営みの中の三月一一日
吉田千亜(ライター)
●但馬日記【第24回】
働き方改革とハラスメントの逆説(パラドクス)――森喜朗氏発言に考える
平田オリザ(劇作家)
----〈最終回〉----------
●すぐそこにある世界 【第25回】
多様性を超えて
師岡カリーマ・エルサムニー
------------------------
●片山善博の「日本を診る」【137】
オリパラ組織委員会新会長選出の正当性を問う
片山善博(早稲田大学)
●メディア批評【第160回】
神保太郎(ジャーナリスト)
●いま、この惑星で起きていること【第16回】
こおりつく出来事
森さやか(気象予報士)
●脳力のレッスン【228】
日本と天皇の始まり――天武・持統期の革命性
寺島実郎
●亡所考 【第4回】
忘却に抗う誓い
北條勝貴(上智大学)
●お許しいただければ
占い(A.A.ミルン)
訳=行方昭夫(英文学者)
●沖縄(シマ)という窓―― 頻発する米軍機低空飛行 見透かされる日本の弱腰
松元剛(琉球新報)
●原発月報(21・1~2)
福島原発事故記録チーム
●ドキュメント激動の南北朝鮮【284】(21・1~2)
編集部
●グラビア 特別招待作品――飯舘村の10年
豊田直巳(フォトジャーナリスト)
●ことわざの惑星
金井真紀(イラストレーター)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
○読者投句・岩波俳句
選・文 池田澄子(俳人)
○アムネスティ通信
○『世界』へ――人生の原点を知った 中央労働学院の日々
藤田庄市(フォトジャーナリスト)
○読者談話室
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
○表紙写真
ロックダウン中のフランス・リヨンの地下鉄にて。スマホを見る女性。2020 年4 月20 日
( 写真提供:Robert DEYRAIL /Gamma-Rapho via Getty Images =共同通信イメージズ)
○デザイン
赤崎正一 + 佐野裕哉 (協力=国府台さくら)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
編集後記