近代「国文学」の肖像 5

高木市之助 文藝論の探求

自らのフィールドを古代に置きつつも、常に文学の本質を問い続けた高木市之助の生涯と学問とを描く。

高木市之助 文藝論の探求
著者 高田 祐彦
ジャンル 書籍 > 単行本 > 日本文学総記
シリーズ 近代「国文学」の肖像
刊行日 2021/04/16
ISBN 9784000269803
Cコード 3391
体裁 A5 ・ 上製 ・ カバー ・ 160頁
定価 3,630円
在庫 在庫あり
文学を文学たらしめているものとは何か。自らの主たるフィールドを古代に置きつつも、文芸論的研究の広がりのなかで、文学の本質を問い続けた高木市之助。叙情と叙事の探究、自然・環境・風土をめぐる考察など、独自の構想から古代の文学像を捉えた。「文学の鬼」とまで称された、その生涯と学問的業績を時代のなかに描き出す。
略 伝
 一 略歴
 二 その学問

第一章 文藝の本質と研究
 一 文藝の基本的性格
  1 文藝の構造――その四つの側面
  2 文藝の「形」と「技術」
 二 文藝の形とジャンル
  1 「形」と「ことば」と「心」
  2 形の文学論へ向けて
 三 研究とは何か
  1 基本作業としての読むこと
  2 文化の一環としての国文学

第二章 叙事と抒情をめぐって
 はじめに
 一 英雄時代と叙事詩
  1 叙事詩成立の可能性
  2 歌謡と所伝
 二 抒情詩とその問題
  1 叙事詩と抒情詩
  2 抒情と日本文学
 三 短歌を支える力
 四 抒情の行く方
 まとめ

第三章 自然・環境・風土
 一 自然と環境
 二 万葉の環境――清なるもの
 三 「みやこ」の成立
 四 季節の推移
 五 景と風土

 まとめ

主要参考文献
高木市之助 年譜
後 記
高田祐彦(たかだ ひろひこ)
1959年生まれ。1988年東京大学大学院博士課程単位取得退学。博士(文学)。
現在 青山学院大学文学部教授。
著書 『源氏物語の文学史』(東京大学出版会、2003年)、『古今和歌集』(訳注、角川ソフィア文庫、2009年)、『源氏物語の透明さと不透明さ』(共編著、青跣舎、2009年)、『人生をひもとく日本の古典』全6巻(共編著、岩波書店、2013年)、『読解講義日本文学の表現機構』(共著、岩波書店、2014年)ほか
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