アレクシエーヴィチとの対話

「小さき人々」の声を求めて

私は耳の作家、魂の歴史家です――。ノーベル文学賞作家の創作の道のりと極意を多角的に明らかにする。

アレクシエーヴィチとの対話
著者 スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ , 鎌倉 英也 , 徐 京植 , 沼野 恭子
ジャンル 書籍 > 単行本 > 文学・文学評論
刊行日 2021/06/25
ISBN 9784000614788
Cコード 0098
体裁 四六 ・ 上製 ・ カバー ・ 382頁
定価 3,190円
在庫 在庫あり
私は耳の作家、魂の歴史家です──。ジャーナリストとして初めてノーベル文学賞を受賞した作家の創作の道のりと極意を、NHK同行取材記録のほか、充実した講演・対談・評論によって明らかにする。「ドキュメンタリー文学」の手法とは何か。『戦争は女の顔をしていない』や『チェルノブイリの祈り』はいかに書かれたか。
日本の皆さんへ――出版に寄せて …………… ◉アレクシエーヴィチ/沼野恭子=訳
負け戦(いくさ)――ノーベル賞受賞講演…………… ◉アレクシエーヴィチ/沼野恭子=訳

I 「小さき人々」への旅立ち――アレクシエーヴィチとは誰か …………… ◉鎌倉英也
 第一章 プロローグ――未知の作家
 第二章 最初の対話――ミンスクを訪ねて
 第三章 旅の計画――目指すべき場所

II 「ユートピア」の残骸で――過去の記憶 …………… ◉鎌倉英也
 第四章 流刑地シベリア――収容所のなかの収容所
 第五章 ソヴィエトの砦ベラルーシ――「大祖国戦争」の爪痕
 第六章 連邦崩壊と自殺者――「ユートピア」の果て

III 国家の「神話」を砕く――戦争と抵抗 …………… ◉鎌倉英也
 第七章 アフガン・シンドローム――殺人犯となった息子
 第八章 アレクシエーヴィチ裁判――そこで何が問われたか
 第九章 「我々」から「私」へ――チェチェン戦争に抵抗する人々

IV 核の時代に生きて――未来への証言 …………… ◉鎌倉英也
 第一〇章 逃げ場のない世界――チェルノブイリ原発事故
 第一一章 未知の顔をした「戦争」――汚染された大地の上で
 第一二章 「フクシマ」を訪ねて――問われる「抵抗の文化」

V 「小さき人々」を見つめて――アレクシエーヴィチと徐京植
 序 ――ふたつの対話はこのように生まれた
 第一三章 「小さき人々」の声を聞く――暴力と破滅の二〇世紀を見据えて …………… ◉アレクシエーヴィチ×徐京植
 第一四章 「小さき人々」の愛を信じる――二一世紀の苦悩の底から …………… ◉アレクシエーヴィチ×徐京植
 第一五章 長い道――スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチさんへの手紙 …………… ◉徐京植

VI 声の小説(ロマン)――「赤いユートピア」の文学
 第一六章 あるユートピアの物語――東京外国語大学講演…………… ◉アレクシエーヴィチ/佐藤貴之・沼野恭子=訳
 第一七章 ユートピアの声――アレクシエーヴィチの文学 …………… ◉沼野恭子

番組・文献一覧
あとがき――「対話」を続けるために
スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ(Светлана Алексиевич)
1948年ウクライナ生まれ。国立ベラルーシ大学卒業後、ジャーナリズムの道を歩む。綿密な聞き書きを通じて一般市民の感情や記憶をすくい上げる、多声的な作品を発表。戦争の英雄神話をうち壊し、国家の圧制に抗いながら執筆活動を続けている。邦訳作品に『戦争は女の顔をしていない』『ボタン穴から見た戦争──白ロシアの子供たちの証言(原題:最後の証人たち──子供の声のための独唱曲)』『アフガン帰還兵の証言──封印された真実(原題:亜鉛の少年たち)』『完全版 チェルノブイリの祈り──未来の物語』『セカンドハンドの時代──「赤い国」を生きた人びと』など。上記作品を「ユートピアの声」五部作と位置づけている。2015年ノーベル文学賞受賞。
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