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ユーゴスラヴィア現代史 新版

ユーゴ解体から三〇年。あの紛争が現代世界に突きつけた課題を改めて考える。全面改訂版。

ユーゴスラヴィア現代史 新版
著者 柴 宜弘
通し番号 新赤版 1893
ジャンル 書籍 > 岩波新書 > 世界史
刊行日 2021/08/27
ISBN 9784004318934
Cコード 0222
体裁 新書 ・ 298頁
在庫 在庫あり
民族、国家、宗教、言語……。独自の社会主義連邦の道を歩んできたユーゴの解体から三〇年。暴力と憎悪の連鎖が引き起こしたあの紛争は、いまだ過ぎ去らぬ重い歴史として、私たちの前に立ちはだかっている。内戦終結から現在にいたる各国の動向や、新たな秩序構築のための模索などについて大幅に加筆。ロングセラーの全面改訂版。
はじめに

第一章 南スラヴ諸地域の近代
 1 オスマン帝国支配下の南スラヴ――セルビア、モンテネグロ、マケドニア
 2 ハプスブルク帝国支配下の南スラヴ――クロアチア、スロヴェニア
 3 オスマン帝国支配からハプスブルク帝国支配へ――ボスニア・ヘルツェゴヴィナ
 4 南スラヴ統一構想の胎動

第二章 ユーゴスラヴィアの形成
 1 セルビア王国の発展
 2 第一次世界大戦と南スラヴ統一運動
 3 擬制の「国民国家」の成立
 4 進まぬ統合と「多民族性」の承認

第三章 パルチザン戦争とは何だったのか
 1 ユーゴスラヴィアの分割
 2 パルチザン戦争の展開
 3 「第二のユーゴスラヴィア」の基礎

第四章 戦後国家の様々な実験――連邦制・自主管理・非同盟
 1 人民民主主義期の改革
 2 理念としての自主管理社会主義の出発
 3 「七四年憲法体制」への移行

第五章 連邦解体への序曲
 1 チトー以後の諸問題
 2 七四年憲法の修正と「連邦制の危機」
 3 東欧変革の流れのなかで

第六章 ユーゴスラヴィア内戦の展開
 1 クロアチア内戦
 2 ボスニア内戦への拡大
 3 ボスニア内戦と国際社会
 4 少数者アルバニア人をめぐる二つの紛争

第七章 新たな政治空間への模索
 1 ユーゴ解体の最終章
 2 ヨーロッパ統合と旧ユーゴ諸国の分断
 3 地域アイデンティティの変容

終 章 歴史としてのユーゴスラヴィア

あとがき
新版追記
主要参考文献
柴 宜弘(しば のぶひろ)
1946-2021年
1979年早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了
東京大学名誉教授、城西国際大学特任教授(逝去時)。東欧地域研究・バルカン近現代史専攻
著書―『ユーゴスラヴィアの実験』『ユーゴスラヴィアで何が起きているか』(ともに、岩波ブックレット)、『バルカンの民族主義』(山川出版社)、『図説バルカンの歴史』(河出書房新社)、『バルカン史』(編、山川出版社)、『バルカン史と歴史教育』(編、明石書店)、『ボスニア・ヘルツェゴヴィナを知るための60章』(共編、明石書店) ほか
訳書―クリソルド編『ユーゴスラヴィア史』(共訳、恒文社)、マッケンジー『暗殺者アピス』(共訳、平凡社) ほか
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