光吉夏弥 戦後絵本の源流

「岩波の子どもの本」の生みの親は、児童文学の翻訳や紹介や舞踊評論、写真評論も行った。その経緯は?

光吉夏弥 戦後絵本の源流
著者 澤田 精一
ジャンル 書籍 > 単行本 > 伝記
書籍 > 児童書
刊行日 2021/10/05
ISBN 9784000248952
Cコード 0023
体裁 四六 ・ 上製 ・ カバー ・ 170頁
定価 2,420円
在庫 在庫あり
石井桃子と共に、戦後絵本の嚆矢「岩波の子どもの本」を立ち上げたのは、いかなる人物だったか。海外の児童文学の翻訳や紹介だけでなく、舞踊評論や写真評論も行ったが、自らその生涯を語ることはなかった。戦前の仕事は? 戦後の活躍の背景には何があった? 元編集担当者が、遺された資料から謎多き人生に迫る、初の評伝。
まえがき

第一章 それは父から始まった
 父・光吉元次郎
 その後の元次郎
 積男から夏弥へ

第二章 鉄道省外局国際観光局で
 国際観光局に入局するまで
 鉄道省は観光立国を目指す
 国際観光局の活動
 「Travel in Japan」の主幹として
 パリ万博への参加
 国際観光局 もう一つの顔
 グラフ誌の出発は名取洋之助
 プロパガンダとは?
 【コラム】 光吉の撮影した舞台写真

第三章 舞踊評論家として
 舞踊評論家・光吉夏弥の足跡
 「日本」三部曲の台本を執筆
 光吉と宝塚
 日本少国民文化協会
 瀧口修造について
 世界の絵本を紹介

第四章 戦後からの出発
 GHQの対日政策と児童書出版
 編集者、光吉夏弥
 漂流する編集者として
 ディズニーの絵本とその紹介
 『少年百科』で児童文学を紹介
 『エブラハム・リンカーン』
 『児童百科事典』の編集委員として

第五章 岩波の子どもの本
 「岩波の子どもの本」前史
 そしてアメリカの影が
 アメリカのソフト・パワー
 「岩波の子どもの本」とは

第六章 「岩波の子どもの本」以後の活動
 「世界写真全集」など
 舞踊界での活躍
 モダンダンスの歴史を一望に
 「子どもの本の世界から――その文献と資料」
 数多くの児童書翻訳
 絵本とは何か
 残されたいくつかの不思議なこと

あとがき
略年譜
澤田精一(さわた せいいち)
1948年千葉県生まれ。山梨大学卒業。元福音館書店編集者。児童文学専門誌「子どもの館」で光吉夏弥の連載「子どもの本の世界から」や、月刊絵本「こどものとも」「こどものとも年中向き」「こどものとも年少版」「かがくのとも」を担当。大竹伸朗の『ジャリおじさん』(小学館絵画賞受賞)をはじめ、宇野亜喜良、五味太郎、井上洋介、スズキコージ、伊藤比呂美、佐野洋子などの絵本を世に送り出す。元白百合女子大学・日本女子大学非常勤講師。
著書『ひそませること/あばきたてること――絵本編集の現場から』(現代企画室)、詩集『異貌の地』(花神社)、『忘却による転倒』(作品社)。
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