絵画の素

TOPICA PICTUS

こんな絵があったのか! ――未知の傑作に出合う至福

絵画の素
著者 岡﨑 乾二郎
ジャンル 書籍 > 単行本 > 芸術
刊行日 2022/11/29
ISBN 9784000615150
Cコード 0070
体裁 四六 ・ 478頁
定価 5,500円
在庫 在庫あり

 絵をみることは、そのたびに絵を新たに発見すること──作家みずから〈創作の秘密〉を語る魅惑的なエッセイは、古今東西、煌めく星座のような作品群の宇宙をめぐり、思いもよらなかった繋がりを解いてゆく。作品はすべてカラー掲載。

■谷川俊太郎氏推薦!
──視覚に頼るだけでは、絵にひそむ豊かな時空を感受できない、そう岡崎さんのコトバが教えてくれる。


■革装のような手触り、手放せない魅力

『絵画の素 TOPICA PICTUS』岡﨑乾二郎
 銀箔を用いた、美しい革装のような帯を外すと、ほぼ実物大の著者自作が華やかな表紙としてあらわれる。物としての書籍の魅力を考え抜いた、いちど手に取ると手放せない造本。

■世界的に活躍する画家が、初めて綴った〈創作の秘密〉
『絵画の素 TOPICA PICTUS』岡﨑乾二郎 02

 絵を見ることは、そのたびに絵を新たに発見すること。何かを生み出すことは、よりよく思い出すこと──作家みずから〈創作の秘密〉を語る魅惑的なエッセイは、古今東西、煌めく星座のような作品群の宇宙をめぐり、思いもよらなかった繋がりを解いてゆく。今まで知らなかった傑作を、著名な歴史的名作を、新たに発見する驚きと悦び。
 もうあなたはこの絵を、 忘れることができない。

サセッタ《六人の天使に囲まれる聖母子(部分)》と《祝福されるラニエリ》|『絵画の素 TOPICA PICTUS』岡﨑乾二郎

■全頁カラー、掲載画像総数280点。エッセイ、自作絵画、参照作品が一体に
 77篇のエッセイすべてにおいて、著者によるテクスト、自作絵画作品、古今東西の傑作の3つを組み合わせ、カラーで掲載。

J. M. W. ターナーによる2作と著者自作絵画|『絵画の素 TOPICA PICTUS』岡﨑乾二郎

■絵画と絵画、星座のような思わぬ〈繋がり〉
 参照作品には、絵画、彫刻、中世の地図、物語の挿絵から、チョコレートやビールのパッケージまで、見ているだけでも楽しい作品が満載。著者ならではの視点がとらえた、絵と絵の思わぬ〈繋がり〉に驚き、美術史への新たな視角に誘われる。

ピエト・モンドリアンと野菜スープ|『絵画の素 TOPICA PICTUS』岡﨑乾二郎


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『絵画の素 TOPICA PICTUS』岡﨑乾二郎
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 はじめに ―― 三体問題

この木が君にはどう見える?
ブキッチョ熊のチョコ
晴れた日の林
Aletheia アレーテイア
Scooping water from a stream(渓を掬う)
三本の緑の小枝
水の精の服を奪い(ひごうのさいご)
根の国のスサノヲ
Battle for Palm Tree Hill(金鍔)
竪琴に翻弄され
壁観
音に泳ぐ(耳も口も)
指で観る、マリー・ド・ブルゴーニュ
冊架(Chaekgeori)
ひしめきあう庭の植物(かれの容貌)
今茲而往生
空腹にされたゴーレム
感受性という血液(意見の交換)
水潯での叱咤
睡蓮たちのスイミン
潮水の波、真水の滝
馬を操り、海に溺れる
月日の満ち欠け
地にも海にも木にも風は吹かない
ご機嫌斜めの食卓
魚ヲ得テ筌ヲ忘ル
水のヘンテコなもの
行水のうきな
水たまりに映る空
Hunting on the Lagoon(鵜飼い)
風景のなかの聖母子
貴婦人の微笑
老子、天井を払う
背後にはなにも無い
聖衣剝奪
物質の隔たり、魂の繫がり
マリア・オランス
時を捌く七月
東の方
蜂蜜の発見
掃き掃除
那智の一遍
はじけた稲妻、閃光の如くうごく
陽の日
揺れる眼差しはすでにヨコシマ
王莽がときのとちのき
夕焼け・朝焼け
煉瓦工場、椰子の木陰
巨大な雨粒が石切場を襲う
繁みに逃げ込む(Maquis)
栩栩然
透明に輝く一日・宝石の冠と茨の冠
黄質黒章、鋸牙鉤爪
とうもろこしのような顎髭
毛皮の外套をきた門番
おかえり、放蕩息子
モスコポロス、荷物を落とす
羽の生えた河馬でもピンクの象でもない
フゥフゥフゥと海の風
渚を枕に浮寝のはて
はじめて見たる小樽
急き立てられた土地所有
愛着の土地を離れ
零れ落ちる言の葉、言の葉
芦の優美な、お辞儀
子供のジョヴァンニ・デ・メディチ
マウルブロンの菩提樹
倭文の苧環(しずのおだまき)
アルベルトゥス・マグヌス
言葉が降りてくる場所
Squeezing Orange(オレンジを搾る)
水車の働き
羊の場所
カタクナな人、カタクに帰る
鱗と緑青
草叢で血を流す
サンセポルクロの出来事

 後記
 えよみ/あとがき
 引用・参照文献一覧
 画像出典・提供元一覧
岡﨑乾二郎(おかざき けんじろう)
1955年東京生まれ。造形作家、批評家。東京大学および武蔵野美術大学客員教授。
1982年パリ・ビエンナーレに招聘されて以来、国際展を含む多くの展覧会に出品。セゾン現代美術館 (2002年)、豊田市美術館 (2019-20年)で大規模な個展を開催。作品制作とともに、美術批評を中心とした執筆活動を行う。作品集として『岡﨑乾二郎 視覚のカイソウ』(ナナロク社、2020年)、『TOPICA PICTUS』(urizen、2020年)。主著に『ルネサンス 経験の条件』(文春学藝ライブラリー、2014年)。『抽象の力 近代芸術の解析』(亜紀書房、2018年)で芸術選奨文部科学大臣賞(評論等部門)、『感覚のエデン』(亜紀書房、2021年)で毎日出版文化賞(文学・芸術部門)受賞。
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