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岩波科学ライブラリー

あつまる細胞

体づくりの謎

細胞は、自発的に「あつまって」私たちの体をつくる。いったんバラバラにしても、また集まる。なぜ……!?

あつまる細胞
著者 竹市 雅俊
通し番号 316
ジャンル 書籍 > 自然科学書 > 岩波科学ライブラリー
書籍 > 岩波科学ライブラリー > 生態・環境
シリーズ 岩波科学ライブラリー
刊行日 2023/01/17
ISBN 9784000297165
Cコード 0345
体裁 B6 ・ 並製 ・ 174頁
在庫 在庫あり
細胞は、自発的に「あつまって」私たちの体をつくる。いったんバラバラにしても、また集まる。でも条件を変えると、集まらない。なぜ……!? 素朴な疑問にはじまって、著者はついに細胞間接着分子「カドヘリン」を突き止め、体づくりのさらなる深みへ。絶え間ない謎解きのプロセスを緻密に追い、発生の妙へと読者をいざなう。
 はじめに

1 細胞はあつまる
 器官の発生
 器官の基本構造
 細胞は勝手に集まる
 カルシウムイオンの重要性
 発生のやり直しか?
 細胞選別現象の謎

2 細胞接着現象との出会い
 出発は水晶体
 岡田研究室へ
 細胞接着の謎解きにはまる
 水晶体との別れ、そして旅立ち

3 トリプシン液の不思議
 細胞が集まらない!
 EDTAがあやしい
 接着モデルを考える
 京都のトリプシンの謎
 タンパク質Xを探る
 ダンゴムシ状態?
 細胞性粘菌に学ぶ
 時間切れ
 論文の評価

 コラム◎席がない!

4 カドヘリンの発見
 接着分子は二つある?
 テラトカルシノーマを使ってみよう
 接着阻害抗体を得る
 モノクローナル抗体がほしい
 結合の瞬間をとらえる
 命名と競争

 コラム◎岡田節人さんと趣味の話

5 似て非なる「カドヘリン」たち
 脳カドヘリンを探す
 よく似たカドヘリンたち
 「接着できない細胞」が「接着できる細胞」に
 やっぱり類は友を呼んだ
 カドヘリンの一次構造
 20種類以上のカドヘリン

 コラム◎鳥を観る、細胞を観る

6 接着の深いしくみ
 先端でつかみ合う
 並んで手をつなぐ
 カルシウムイオンがはたらくところ
 相手をどう選ぶのか
 「内側」はなぜ必要か
 カドヘリンに結合する分子
 カテニンの威力
 第三、第四の役者
 なぜカテニンが必要か
 接着構造を俯瞰する
 上皮細胞どうしの接着構造
 結合のいろいろ
 カドヘリンはどこにあるのか
 細胞以外とくっつくとき

7 器官をつくる
 はたらきを抑えてみよう
 E─カドヘリンなしでは発生できない
 他のカドヘリンはどうか
 カドヘリンは入れ換えられる?
 EとNはどう違うのか
 細胞の選り分け
 離れられないと、どうなるか
 遺伝子を壊してみると
 脳ができるまで
 土台をなし、足場となって
 シナプスにもカドヘリン
 脳でも類は友を呼ぶ?
 低温検知としっぽ上げ

 コラム◎体づくりは折り紙細工

8 広い世界を見てみたら──カドヘリンの普遍性と多様性
 無脊椎動物でもカドヘリンは重要
 外はバラバラ、中はそっくり
 カドヘリン接着装置の起源は?
 スーパーカドヘリンの世界
 皮膚を支える
 聴覚や視覚を支える

9 カドヘリンと病気
 組織がつくれない
 女児だけにおこるてんかんの謎
 「がん」の浸潤・転移とは?
 カドヘリンとがん転移──E─カドヘリンの謎
 発現していても離れる?
 E─カドヘリンの二面性
 細胞の集団移動
 「自由」だと動けない!
 間葉細胞に変化?
 カドヘリンはがんを抑える?
 カドヘリン病は治せるか

 おわりに
 文献
竹市雅俊(タケイチ マサトシ)
1943年生まれ。名古屋大学理学部生物学科卒業,同大学大学院理学研究科博士課程退学。1970年より京都大学理学部生物物理学科助手,助教授,教授を経て,1999年,同大学大学院生命科学研究科教授。この間の1974~1976年,カーネギー研究所発生学部研究員。
2002年,理化学研究所発生・再生科学総合研究センターのセンター長に就任,2018~2020年,同研究所生命機能科学研究センターチームリーダー。現在,京都大学名誉教授,理化学研究所名誉研究員。一貫して多細胞動物の形成のしくみを研究。アウトドアが好きで今は野鳥撮影を楽しむ。朝日賞,日本学士院賞,日本国際賞,ガードナー国際賞など受賞。文化功労者,日本学士院会員,米国科学アカデミー外国人会員,ヨーロッパ分子生物学機構外国人会員。

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