漢字の動物苑

鳥・虫・けものと季節のうつろい

生き物の漢字名には不思議がいっぱい。なぜそうなったか。古代文字や広辞苑の絵も見ながら語源に遡り推理する。

漢字の動物苑
著者 円満字 二郎
ジャンル 書籍 > 単行本 > 評論・エッセイ
刊行日 2023/01/17
ISBN 9784000615792
Cコード 0081
体裁 四六変 ・ 上製 ・ カバー ・ 230頁
定価 2,420円
在庫 在庫あり
「梟」は親不孝に由来する!? 甲はよろいなのに、カブトムシを「甲虫」と書くとは! 鳥や虫、哺乳動物や爬虫類などの生き物の名前を漢字で表し語源をたずねると、なぜそうなったのか、不思議がいっぱい。鳥や兎、亀や龍などの古代文字や、広辞苑の絵も見ながら漢字の成立ちにまで遡り大胆推理。太古に心を寄せつつ、蘊蓄満載の展開をお楽しみあれ。
 まえがき

Ⅰ 新年、縁起のいい動物たち

 人のことばをしゃべるニワトリ 【鶏・雞】 
 タカの大きさはどのくらい? 【鷹】
 ツルは天高く飛んでいく 【鶴】
 時間を超越するカメ 【亀】
 コウノトリのコウとは何か? 【鸛】
 ウサギと似ていてまぎらわしい! 【兎・兔】
 ライオンの遠い親戚 【獅子】
 トラの毛皮の美しさ 【虎】
 インドのリュウと中国のリュウ 【竜】
 キリンの雌雄の違いとは? 【麒麟】
 悪口に使われたオオトリ 【鳳凰】
 オシドリ夫婦の現実は? 【鴛鴦】

Ⅱ 春、動物たちの目覚め

 ウグイスの色はどんな色? 【鶯】
 天神様とウソの深い関係 【鷽】
 意外と古くないネコ 【猫・貓】
 ネズミは余裕で勝利する 【鼠】
 チョウのひげ vs ガの眉 【蝶・胡蝶・蝴蝶・蛾】
 ハチのミツの甘い味わい 【蜂・蜜蜂】
 たとえられがちなオタマジャクシ 【御玉杓子・蝌蚪】
 ヒバリは神さまに告げ口する? 【雲雀・告天子】
 キジは矢のように飛んでいく? 【雉・雉子】
 左右対称のウシの角 【牛】
 ヒツジは昔から大人気! 【羊】
 よく見ればわかるツバメの姿 【燕・玄鳥・乙鳥】

Ⅲ 初夏の青空、そして梅雨

 悲しい伝説のホトトギス 【杜鵑・子規・不如帰・時鳥など】
 カッコウは農作業の友 【郭公・布穀】
 シジュウカラのカラって何? 【四十雀】
 青いカワセミと赤いカワセミ 【川蟬・翡翠】
 カエルの指先の吸盤に注目! 【蛙・蛤・蝦】
 アメンボとミズスマシの混乱 【水黽・水馬】
 ヒキガエルの不思議な逆転 【蟇・蟾蜍・蝦蟇】
 昔のカタツムリの食べ方とは? 【蝸牛】
 風流なホタルも元はというと...... 【蛍】
 ウさん、恨まないでね 【鵜・鸕鷀】
 由緒正しいハエの話 【蠅】
 カとボウフラの由来をめぐって【蚊・孑孑・孑孒】
 仲間はずれのコウモリとハリネズミ 【蝙蝠・蝟】

Ⅳ 盛夏、灼熱の太陽の下で

 ツッコミどころの多いカブトムシ  【兜虫・甲虫】
 セミはいつから日本にいるのか? 【蟬】
 テントウムシはだまされない! 【天道虫・瓢虫・紅娘】
 ゾウの巨体は目立つけど...... 【象】
 サイのしっぽの特徴は? 【犀】
 オランウータンはお酒好き? 【猩猩】
 ナイル川からやってきたカバ 【河馬】
 袋を背負って旅するラクダ 【駱駝・橐駝】
 あいさつになったヘビ 【蛇】
 カマキリは勇士のたとえ 【鎌切・蟷螂・螳螂】
 犯人はバッタかイナゴか? 【飛蝗・蝗虫・蝗・稲子】
 カゲロウだとはわかっているけど...... 【蜉蝣・蜻蛉】
 大きなトンボ、小さなトンボ 【蜻蛉・蜻蜓】

Ⅴ 秋、静かな夜と紅葉の森

 カササギの橋の伝説 【鵲】
 スズムシの声は月世界から 【鈴虫・月鈴子】
 寝床の下でコオロギが鳴く 【蟋蟀・促織】
 キリギリスは混乱の始まり 【螽斯・蟋蟀・莎鶏】
 少し不粋なクツワムシの参戦 【轡虫・絡緯】
 秋の夜長のカンタンの夢 【邯鄲】
 カラスの目はどこにある? 【烏・鴉】
 ガンはVの字になって飛ぶ 【雁・鴈】
 虫眼鏡レベルのツグミの違い 【鶫・鶇】
 モズの二つの得意技 【百舌・鵙・鴃】
 このウマで本当にいいのかな? 【馬】
 シカの鳴き声に感じること 【鹿】
 上手に崖を登るカモシカ 【氈鹿・羚羊】
 頭に飾るはリスの毛か...... 【栗鼠】

Ⅵ 冬、寒さに負けぬ動物たち

 カモとケリの脚の長さ 【鴨・鳧】
 ハクチョウの白さと大きさ 【白鳥・鵠・鴻】
 素潜りが得意なカイツブリ 【鸊鷉・鳰】
 ミソサザイと『荘子』の含意 【鷦鷯】
 日本のイノシシ、中国のブタ 【猪・豬・豚・豕】
 クマからヒグマが生まれるまで 【熊・羆】
 いわれたい放題? のキツネ 【狐】
 日本のタヌキは三つに化ける 【狸・貍】
 フクロウの汚名をすすぐ 【梟】
 あわてふためくオオカミの謎 【狼】
 食いっぱぐれたイヌの哀しさ 【犬・狗】
 悲しく響くサルの鳴き声 【猿・猴】
 オコジョを漢字で書くことはできるか? 【白鼬】
 トナカイと間違えられた動物 【馴鹿・麋】

 あとがき
 索引
円満字二郎(エンマンジ ジロウ)
1967年,西宮市生まれ.大学卒業後,出版社に勤務,高校国語教科書や漢和辞典などの編集を担当.現在,フリーの編集者兼ライター.
著書に『漢字の植物苑――花の名前をたずねてみれば』『数になりたかった皇帝――漢字と数の物語』『人名用漢字の戦後史』(以上、岩波書店),『漢字ときあかし辞典』『部首ときあかし辞典』『漢字の使い分けときあかし辞典』『四字熟語ときあかし辞典』(以上、研究社),『漢和辞典的に申しますと。』(文春文庫),『雨かんむり漢字読本』(草思社文庫),『難読漢字の奥義書』(草思社)など多数.
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