2018年にあたって

2018年の岩波書店は、広辞苑第7版の発売から始まります(1月12日発売)。
前回の改訂直後から10年にわたり、日々24万項目を各界の数多くの専門家の方々とともにコツコツと見直し、ある場合には表現を磨き、意味の変化、変容なども反映させ、さらに新たに立てる項目を収集・検討し、1万項目を加えました。これは「10年ぶり」と言うより、執筆者、協力者、編集者のたゆまぬ努力が「10年間積み重ねられた」改訂と言うべきでしょう。
「国語+百科」辞典の代名詞、国民的辞典と言われて、すでに久しい広辞苑。ぜひ本屋さんでお手にとってご覧ください。
また、2018年は岩波新書創刊80年にあたります。盧溝橋事件の翌1938年、中国との戦争が本格化していく事態を深く憂いた岩波書店の創業者・岩波茂雄は、時代の難問に立ち向かうための現代的教養を培うことを目指して、岩波新書を創刊しました。
以後、岩波新書はこの創刊の精神を受け継ぎつつ、赤版、青版、黄版、そして新赤版と、時代とともに歩んできました。現代の日本の世相が、偏狭な思想、排外主義、多様性の忌避、差別意識の蔓延など、どこか戦前・戦中に似たものとなっているなかで、岩波新書は「考える」力を養う材料を提供し続けます。
創刊80年の今年、私たちは「日本には、新書がある。」の標語を掲げ、多くの力作を準備しています。どうぞ、ご期待ください。
現代は大きな変化の時代。不安定が恒常化している時代です。事実に基づかない言葉や自国ファーストの政治が、世界を攪乱しています。そのなかで岩波書店は、たしかな言葉と学問・学術の力をこれからも発信してまいります。本年もよろしくお願いいたします。
2018年1月
代表取締役社長
岡本 厚
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