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最新号: 2022年5月号

《通巻1077号》

定価1540円(本体1400円+税10%)

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原発事故をめぐる政府の責任:論点となっている「長期評価」

 連載「葬られた津波対策をたどって」(2019年1月号〜2020年6月号)に著者加筆の上,副題として「3・11大津波と長期評価」を加えて,順次公開していきます。
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 政府機関として地震調査研究推進本部は「地震発生可能性の長期評価」(「長期評価」)をとりまとめており,2002年7月に「三陸沖から房総沖にかけての地震活動の長期評価について」が公表されました。そのとりまとめにあたった島崎邦彦氏が長期評価に対する圧力を振り返ります。政府と東京電力の責任を問う裁判で論点の一つともなってしまっている長期評価とはそもそも何か。とりわけ東京電力福島第一原子力発電所にとって不都合であった津波対策の基盤となる評価は,その後どのような経過をたどったのか。さらには2011年3月11日直前の「秘密会合」と評価の「書き換え」にまでいたった行政と事業者との関係とは。最高裁での審理が進もうとする今,本連載を広く参照していただけるよう,公開する次第です。
 
 〈参考〉2021年11月号掲載
  島崎邦彦「科学的な議論の行方」(巻頭エッセイ)
  島崎邦彦「巨大津波と原発事故:ねじ曲げられた科学」(特集論考)

COVID-19関連

◎5月号掲載の牧野淳一郎「3.11以後の科学リテラシーno.113」リード文より:
「本稿執筆の 4 月初め時点で新型コロナウイルス感染者数は増加のきざしがみえています。人出の増加と BA.2 株への置き換わりによるとみられます。今回は,発表された新規陽性者数が 3 月後半まで非常にゆっくりとした減少を示していたことからわかることを検討します。このゆっくりした減少は SIR モデルから説明できません。発表された新規陽性者数は検査体制の問題のため実際の数より少なくなっている可能性が高いと考えられ,第 6 波で の実際の感染者は新規陽性者を累計したものより 5~6 倍多い,ということを意味しているでしょう。 」

◎2021年12月号巻頭エッセイ
「政府主導の対策の強化とデータの共有により日常生活を取り戻す「グリーンゾーン化」を」……「日本グリーンゾーン化戦略」提案チーム
を公開しています。
 「日本グリーンゾーン化戦略」提案チームのウェブサイトはこちら(外部リンク。9月27日の記者会見資料・動画などあり)

公開資料

◎2021年9月号掲載の井野博満・青野雄太「原子炉圧力容器の破壊靱性評価はいまどうなっているか ――原子力規制委員会が採用を却下した日本電気協会の新規格JEAC4206-2016」の続編を資料として公開いたします:
[資料]原子炉圧力容器の破壊靭性評価はいまどうなっているか――原子力規制委員会が採用を却下した日本電気協会の新規格 JEAC4206-2016(続)……高島武雄,青野雄太,服部成雄,井野博満

「学問の自由とは何か」記事の特別公開

学術会議会員任命拒否問題の根本には、政府の「学問の自由」をめぐる歴史的認識や憲法における位置づけの認識についての問題があると思われます。 2016年10月号掲載の大浜啓吉「学問の自由とは何か」を特別に公開いたします。ダウンロードはこちら(pdf)。

検察官定年延長問題関連記事の特別公開

7月号掲載予定の大浜啓吉著「市民社会と法 第51回 閣議決定による検察官の定年延長と法の支配(1)」(校正段階校)を著者の了解のもとで緊急に公開いたします。ダウンロードはこちら(pdf)。憲法における公務員の位置づけから説き起こし、黒川弘務検事長の定年延長を決めた閣議決定は違法であり、さらにそれを超えて無効であると論じています。そして次のように結ばれています。「……果たして定年延長を閣議決定で行なえるのか。閣議決定で何でもできるのではなく、「内閣がその職権を行う」ものに限定される。しかし「内閣の職務」の中に、法解釈の権限は含まれていない(憲法73)。ましてや「解釈を変更する」権限などある筈がない。……有権解釈の誤解についても触れておこう。安倍総理は内閣に解釈変更権があることを前提に「新しい解釈をした」と述べているが,まったくの誤解である。有権解釈とは、行政機関が《法律の執行》に当たって行う条文の意味を確定することである。注意すべきは、内閣は法律の執行機関(憲法41、73)であるが、内閣自体が具体的な法律の執行をすることはない。……注意すべきは、有権解釈権はあくまでも《法律の執行》レベルでの権限だということである。検察官の定年の問題は行政組織法に係る問題であり、行政機関に解釈をしたり、解釈変更をする権限はない。」

編集部より

 『科学』は、1931年に石原純、寺田寅彦らによって創刊され総合科学雑誌です。高度な研究成果を専門の枠を超えて紹介するとともに、2001年4月のリニューアル以来、社会と科学の関係を見つめ直すことに焦点をあて、さまざまな立場から問題を掘り下げてお伝えしています。第一線の研究者が自ら執筆し、研究成果を直接社会に還元していることも、本誌の大きな特徴です。
 東日本大震災に続き、新型コロナウイルス感染症に見舞われるなかで、科学的知見と合理性にもとづいた議論が切実に求められています。科学と社会をつなぐことが本誌の願いです。