内容紹介

バラク・オバマの大統領就任式の日、かつての公民権運動の闘士、ジョン・ルイス下院議員は、これまでの道のりを振り返っていた。南部の農場で育った少年時代、成長するにつれ感じるようになった不平等、そして非暴力という手法を学び、運動に身を投じて命をかけた日々……。差別の解消を求め、平等な権利を得るために、いかに人びとが闘ってきたか。レストランでの座り込みを皮切りに、フリーダム・ライド運動、ワシントン大行進、そしてセルマからモンゴメリーへの行進といった歴史的な場面を、当事者の目線でふりかえった、骨太のグラフィック・ノベル三部作。全米図書賞受賞。

著者インタビュー

インタビュー

©Shino Yanagawa

第1回 J.ルイス&A.アイディン


「WEBマガジン たねをまく」に遷移します

受賞情報

  • グラフィック・ノベルとして初の全米図書賞(児童文学部門)受賞
  • 米国で最も権威ある漫画賞である、ウィル・アイズナー賞受賞
  • コレッタ・スコット・キング図書賞受賞
  • マイケル・プリンツ賞受賞
  • ニューヨーク・タイムズ・ベストセラー・リスト第1位
  • 米国図書館協会が選ぶ優秀図書
  • 全米図書館協会が選ぶ「ティーン向け優秀グラフィック・ノベル・トップ10」
  • 全米図書館協会が選ぶ「大学進学希望者向け優秀図書」選出
  • リーダーズ・ダイジェスト「すべての大人が読むべきグラフィック・ノベル」選出
  • ……ほか、受賞多数!

海外書評

「読む者の心をつかんで離さない、美しい公民権運動の物語……
魅力に満ちたルイスの自伝は、あらゆる学校、あらゆる図書館に常備されるべきだ」

――ワシントン・ポスト紙

「ルイスの非凡な人生を綴った魅惑的な年代記……
抜本的な社会改革を実現するためには、どれほどまでの粘り強さが必要であるかを力強く示している」

――O(オプラ・マガジン)

「社会の大変革を引き起こした勇気と信条についての力強い物語が、公民権運動の生き証人によって語られる……
座り込みをし、デモ行進をした人々の勇敢な行動が……鮮明に描かれている」

――カーカス・レビュー

推薦のことば

ビル・クリントン元大統領

「ジョン・ルイス下院議員は、平等を追求する道徳的な声として、50年以上にわたり際立った活動を続けてきた。そんなルイス議員が、公民権運動の思い出を未来のアメリカを担う若者たちと共有してくれることに、私は大きな喜びを感じている。本書を読めば、全く新しい世代の読者も、きつく拳を握りしめた過去から、大きく手を広げた未来へと向かって、ルイス議員とエドモンド・ペタス橋を渡っている気持ちになるだろう」

レイナ・テルゲマイヤー(人気コミック作家)

『MARCH』はコミック史上に残る最重要作のひとつ――桁外れの人生を見事に描写した桁ずれの作品です。若者が世界を変えられることを証明であり、作品の持つエネルギーに衝撃を受けました。ルイス議員の物語は、次世代の読者やリーダーを啓蒙し、インスパイアすることでしょう。

町山智浩(映画評論家)

今から50年前、米国南部の黒人には選挙権がなかった。それを暴力なしに、いかにして勝ち取ったか。すべての弱き人々のための戦いの手本がここにある。

丸屋九兵衛(bmr)

2010年代は「新たな20世紀半ば」なのか? アメリカでも日本でも「偏見と反動と不寛容の嵐」が(再び)吹き荒れる今。半世紀ほど前に、激しく、しかし静かに戦った彼らの歩みを振り返ることは、こんな時代にこそふさわしい。無邪気さは救いにならないから。もっと知識を。

さくまゆみこ(翻訳家)

黒人が当然の権利を主張した公民権運動も、一直線に進んだわけではありません。様々な人の思いが寄り合わさり、方向をつくりだしていくそのダイナミズムが、人間のドラマとともにリアルに伝わってきます。

著訳者紹介

原作者 ジョン・ルイス

ジョージア州5区の米国下院議員で、アメリカを象徴する人物。公民権運動において重要な役割を果たしたことで、広く知られている。

1959年、テネシー州ナッシュビルにあるアメリカン・バプテスト神学校に在学中、人種隔離されていたランチカウンターで座り込みのデモを行った。1961年には、南部の州間バスターミナルでの人種隔離に反対するフリーダム・ライドに参加を志願。南部の「ジム・クロウ(人種隔離法)」に異議を申し立てたことで、暴徒に激しく殴られ、警察に逮捕された。

1963年から1966年まで、学生非暴力調整委員会(SNCC/スニック)の委員長を務めると、SNCCの委員長として全米で知られるようになり、公民権運動を率いた「ビッグ・シックス」の1人と呼ばれるようになる。そして1963年8月には、23歳という若さで歴史的なワシントン大行進の立役者/演説者となった。

1964年には、ミシシッピの「フリーダム・サマー」で、黒人の有権者登録とコミュニティの実行計画を促すSNCCの活動をまとめた。また、その翌年には、公民権運動で特に大きな影響力を持った出来事で指揮を執った。1965年3月7日、アラバマ州セルマで、ホゼア・ウィリアムズ(公民権運動の指導者として名高い)とともに、秩序ある平和的な抗議者を600人以上引き連れ、エドモンド・ペタス橋を渡ったのだ。彼らは、アラバマ州で選挙権の必要性を訴えるため、セルマからモントゴメリーをデモ行進する予定だった。しかし、デモ隊はアラバマ州警察から容赦ない攻撃を受け、これが「血の日曜日」事件として知られるようになる。しかし、ニュース放送や報道写真が、南部の人種差別の無分別な残酷さを暴いたことで、1965年投票権法の成立が促された。

暴力を受けて重傷を負い、40回以上の逮捕も経験してきたが、非暴力の哲学を貫きつづけた。1966年にSNCCを去った後も公民権運動を続け、フィールド基金のアソシエイト・ディレクター、南部地域会議の有権者教育プログラム(VEP)のエグゼクティブ・ディレクターを歴任。1977年、ルイスはジミー・カーター大統領に任命され、ACTION(連邦政府のボランティア機関)で25万人以上のボランティアを指揮した。

1981年、アトランタ市議会に当選。1986年11月、アメリカ合衆国下院議員に選出されて以来、ジョージア州5区の下院議員を務めている。2011年にはバラク・オバマ大統領から自由勲章を授与された。

1998年に出版された回顧録『Walking with the Wind: A Memoir of the Movement』は、ロバート・F・ケネディ図書賞、リリアン・スミス図書賞、 アニスフィールド・ウルフ図書賞をはじめ、数々の賞を獲得。最新著書の『Across That Bridge: Life Lessons and a Vision for Change』は、NAACP(全米黒人地位向上協会)のイメージ・アワードを受賞した。

原作者 アンドリュー・アイディン

アトランタ出身。現在はジョン・ルイス下院議員のワシントンDC事務所で通信とテクノロジーの政策およびニューメディアを担当している。現職に先立ち、2008と2010年の再選キャンペーンでルイスの広報責任者/報道官を務めたほか、ジョン・ラーソン下院議員の地区補佐官、コネチカット州副知事ケビン・サリバンの特別補佐官を務めた。アトランタのロベット・スクール、ハートフォードのトリニティ・カレッジ、ワシントンDCのジョージタウン大学卒。

画家 ネイト・パウエル

1978年アーカンソー州リトルロック生まれ。ニューヨーク・タイムズのベストセラー・リストに名を連ねるコミック・アーティスト。14歳で自主出版を始め、2000年にスクール・オブ・ビジュアル・アーツを卒業。著作に高い評価を受けた『Any Empire』、『Swallow Me Whole』(アイズナー賞とイグナッツ賞を受賞し、ロサンゼルス・タイムズ図書賞にもノミネート)、『The Year of the Beasts』、『The Silence of Our Friends』、『Sounds of Your Name』などがある。

訳者 押野素子

翻訳家。青山学院大学国際政治経済学部卒業後、レコード会社勤務を経てハワード大学ジャーナリズム学部卒業。訳書に『ヒップホップ・ジェネレーション』『JB論 ジェイムズ・ブラウン闘論集1959-2007』(共訳)など。ワシントンD.C.在住。

解説者 大森一輝

北海学園大学人文学部教授。アメリカ黒人史専攻。著書に『アフリカ系アメリカ人という困難―奴隷解放後の黒人知識人と「人種」』訳書に『ただの黒人であることの重み ニール・ホール詩集 』など。

書誌情報

MARCH 1 非暴力の闘い

3月27日刊 MARCH 1 非暴力の闘い

一九六四年の公民権法の成立後も,アラバマ州セルマでは選挙権登録に来た黒人市民を保安官が妨害していた.ジョン・ルイスは抗議のデモに参加するが,警官隊は催涙弾を打ち込み,デモ隊を棍棒で殴り倒す.「血の日曜日」事件は全米に放送され,世論や議会に大きな影響を与え,六五年の投票権法の成立を導く.

128頁 1900円

試し読み

購入する

MARCH 2 ワシントン大行進

4月24日刊 MARCH 2 ワシントン大行進

南部にむかうバスに乗って,人種の区別を公然と破るフリーダム・ライド運動に参加したジョン・ルイス.南部の白人社会の反発はすさまじいものだったが,果敢な行動で社会を揺り動かしていく.そしてワシントン大行進で運動は頂点に達したかにみえたが…….

192頁 2400円

試し読み

購入する

MARCH 3 セルマ 勝利をわれらに

5月24日刊 MARCH 3 セルマ 勝利をわれらに

南部の黒人の投票権を求める運動は,白人社会の激しい反発と多大な犠牲,そして組織の亀裂を生んだ.苦悩するジョン・ルイスはデモの最中に暴行を受けて倒れるが…….セルマの「血の日曜日」事件は,黒人の有権者登録を保障する1965年投票権法の成立をうながした.公民権運動の歴史を描くグラフィック・ノベル三部作,最終巻.

256頁 2700円

試し読み

購入する

ページトップへ戻る