駐在記者発 大槌町 震災からの365日

東日本大震災で甚大な被害にあった岩手県大槌町に住み込み,密着取材した記者が綴る一年間の詳細な日記.

駐在記者発 大槌町 震災からの365日
著者 東野 真和
ジャンル 書籍 > 単行本 > 社会
刊行日 2012/06/22
ISBN 9784000224208
Cコード 0036
体裁 四六 ・ 並製 ・ 230頁
在庫 品切れ
東日本大震災による津波で,人口の一割近い町民が犠牲になった岩手県大槌町.市街地は全滅,町長をはじめ役場の幹部も亡くなり,行政機能は麻痺する.すべてを失った町が,どう再生するのか.救援状況,避難所生活,選挙,復興計画など町の一年間の動きを,東京から現地に住み込み,密着取材した記者が綴る,日々の詳細な記録.


■著者からのメッセージ
 津波で流された観光船が,家の上に乗った町,と言えば,覚えている方も多いでしょう.岩手県の海岸線のほぼ真ん中にある大槌町は,町長を含む1万5000人の人口の1割近くが犠牲になりました.火事が3日間続いたことなどから,まだ450人以上が行方不明(2012年5月現在)で,心の区切りがつかない人が大勢います.
 さらに,地形も復興へのハードルを上げています.人口の8割が2%ほどの海浜部に集中するコンパクトシティーが津波で壊滅し,高い堤防を造ったとしても,同じ場所には危険で建てられない所ばかり.代わりに新しい町を造るだけの十分な平地はありません.山を削ったり,土地に盛り土をしたりするのにも,長い年月がかかります.
 果たしてこの町は復興できるのでしょうか.住民の心は折れないのでしょうか.さっさと合併し,働く世代や子供たちは,町外に移住した方がいいのでしょうか.
 住民として1年間暮らし,綴ったこの日記に,私なりの答えは書いてあります.


■編集部からのメッセージ
 東京から大槌町へ駐在している東野記者が綴った渾身の記録です.執筆に一年以上かけた二段組み230頁.被災地の日常から浮かび上がる震災の現状にぜひ触れてください.
渡辺勝之
序として――2011年3月11日大槌
第1章 震災の春
第2章 選挙の夏
第3章 復興への秋
第4章 仮設住宅で越す冬
第5章 これからの大槌町

あとがき
大槌年表
東野真和(ひがしの まさかず)
朝日新聞記者.1964年大阪府生まれ.88年,京都大学文学部哲学科卒業,朝日新聞社入社.岐阜支局,名古屋本社などを経て98年東京本社政治部.2002年盛岡支局.04年政治部に戻り,07年,東京本社編集センター,09年特別報道センター.11年,震災後に大槌駐在員.共著に『闘う東北――朝日新聞記者が見た被災地の1年』(朝日新聞出版)
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