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三毛猫ホームズの遠眼鏡

想像力の欠如という傲慢な現代の病理――.「まともな日本を取り戻す」ためにできることとは?

三毛猫ホームズの遠眼鏡
著者 赤川 次郎
通し番号 文芸257
ジャンル 書籍 > 岩波現代文庫 > 文芸
日本十進分類 > 文学
刊行日 2015/01/16
ISBN 9784006022570
Cコード 0195
体裁 A6 ・ 並製 ・ カバー ・ 202頁
在庫 品切れ
自民党ポスター「日本を,取り戻す.」に誤植あり! (誤)戻/(正)壊――その実,安倍政権主導ならずとも,いま,日本は壊れていっている.あれほどの大震災も,継続中の原発事故も忘れ,被災地への回帰を怠るこの状況をつくってきたのは,想像力の欠如という傲慢な現代の病理である.『図書』で大好評の連載エッセイを現代文庫に一括収録!

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弊社PR誌「図書」に2012年7月号から2年間余り連載された「三毛猫ホームズの遠眼鏡」全30回分を現代文庫に一括収録しました。社会批評的エッセイのこの連載は“快刀乱麻を断つ”ごとく痛快な切り口で、「図書」読者からの反響の大きい名物連載の一つとなりました。
 文学、芸術、音楽、映画などの身近で懐かしいエピソードから、震災後の社会、政治、経済などへの義憤溢れる批評へのつながりは、まさに猫がしなやかに塀の上を伝うごとく、ときには遠眼鏡、ときには虫眼鏡を使い分けての巧みな筆致とともに、読者の熱い共感を呼び覚ますものです。
本書ではさらに、2014年9月14日に開催された信州岩波講座での講演も収録しました。「三毛猫ホームズ」赤川次郎さんのあらたな魅力を、ぜひご堪能ください。
ベートーヴェンを聴く夜
吉田秀和さんの言葉
ネット社会の闇
フクシマの壁
愛国の旗
少数者はどこにいる
正義の味方
フィクションと現実
灯台はどこを照らすのか
戦う演劇
二十代の墓標
西部劇における人生の汚点
星に願いを
人生の誤植
失われた隙間を求めて
禁じられた大人の遊び
非情の町、非情の国
踊れる平和が今
スリッパはどこへ行った
今、鼠小僧が盗むもの
二十一世紀の孤独
知性が人を人間にする
希望の灯を絶やさずに
孤独な狩人の嘆き
9・11から遠く離れて
傷を背負って前向きに
失われたプライドを求めて
今に活きる言葉
楽しく、くたびれた日
夜明け前
まともな日本を取り戻す〈講演〉
あとがき――窓を開けよう
赤川次郎(あかがわ じろう)
1948年福岡県生まれ。作家。1976年に「幽霊列車」でオール読物推理小説新人賞を受賞しデビュー。「三毛猫ホームズ」「三姉妹探偵団」など推理小説の人気シリーズや「セーラー服と機関銃」など話題作を次々と発表。著作は570冊を超える。2006年、長年のミステリー界への貢献に対して、日本ミステリー文学大賞を贈られた。

書評情報

東京新聞(夕刊) 2015年8月19日
ミステリマガジン 2015年7月号
朝日新聞(夕刊) 2015年3月2日
サンデー毎日 2015年3月1日号
朝日新聞(朝刊) 2015年2月22日
週刊文春 2015年2月12日号
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