ことばを鍛えるイギリスの学校
国語教育で何ができるか
自分の力で考え,説得的に表現できるよう日々鍛えられるイギリスの教育を,国語を中心に具体的に紹介.
独立した個人を目指し,生きる力を身につけるイギリスの子どもたち.圧倒的な密度で行われる国語教育で,創造性,想像力,論理力が日々鍛えられる.著者の三人の息子たちのナーサリー(保育園)から大学までの経験をふまえ,その教育の実態を具体的に紹介する.改訂されたナショナルカリキュラムの内容と最新情報を含めた改訂版.
■内容紹介
「学ぶ」ということと「考える」ということの重点の置き方の違い、個々人を皆同じと考えるかそれぞれ違うと考えるか、「減点主義」と「加点主義」、叱って励ますか、それともほめて励ますか、といったことを考えたときに、イギリスの教育と日本の教育は、前提としているものの考え方が時により正反対なのではないかとさえ私は思う。中でもことばについては、イギリスには「話すことによって学ぶ」、「話すことが思考を発展させる」という確固とした信念がある。これは、まず「聞くこと」を教える日本の教育理念とは真っ向から対立するものだ。こうした教育についての考え方のあざやかな対照は、親や社会の教師に対する期待、教師の児童生徒に対する期待にもはっきりと現れてくる。本書を読みながら、このようなことを心に留めていただけたら幸いである。
2003年に出た単行本を、文庫化にあたり、全体にアップデートしました。日本の国語教育をどうすればよいか考える際、イギリスでの著者の体験は多くのヒントを与えてくれると思います。
■内容紹介
「学ぶ」ということと「考える」ということの重点の置き方の違い、個々人を皆同じと考えるかそれぞれ違うと考えるか、「減点主義」と「加点主義」、叱って励ますか、それともほめて励ますか、といったことを考えたときに、イギリスの教育と日本の教育は、前提としているものの考え方が時により正反対なのではないかとさえ私は思う。中でもことばについては、イギリスには「話すことによって学ぶ」、「話すことが思考を発展させる」という確固とした信念がある。これは、まず「聞くこと」を教える日本の教育理念とは真っ向から対立するものだ。こうした教育についての考え方のあざやかな対照は、親や社会の教師に対する期待、教師の児童生徒に対する期待にもはっきりと現れてくる。本書を読みながら、このようなことを心に留めていただけたら幸いである。
――本書「はじめに」より
2003年に出た単行本を、文庫化にあたり、全体にアップデートしました。日本の国語教育をどうすればよいか考える際、イギリスでの著者の体験は多くのヒントを与えてくれると思います。
はじめに
第一章 イギリスの学校に行く
第二章 統一試験から大学入試へ
第三章 何より重要な「国語」
第四章 まず、話す
第五章 小さいうちからどんどん読ませる
第六章 幅広い「書く」教育
第七章 誰もが脚本家、俳優、批評家
第八章 教科書のない授業
第九章 大学入学前の訓練と冒険
第十章 エリート教育の光と陰
終わりに
参考文献
あとがき
第一章 イギリスの学校に行く
第二章 統一試験から大学入試へ
第三章 何より重要な「国語」
第四章 まず、話す
第五章 小さいうちからどんどん読ませる
第六章 幅広い「書く」教育
第七章 誰もが脚本家、俳優、批評家
第八章 教科書のない授業
第九章 大学入学前の訓練と冒険
第十章 エリート教育の光と陰
終わりに
参考文献
あとがき
山本麻子(やまもと あさこ)
前橋生まれ。津田塾大学英文学科卒業。お茶の水女子大学修士課程修了。1979年に渡米し、81年ボストン大学教育学部大学院TESOLコース修了。86年より在英国、92年レディング大学言語学科でPh.D.を取得し、現在、同大言語識字センター研究調査官。著書に『ことばを使いこなすイギリスの社会』 『書く力が身につくイギリスの教育』(岩波書店)『英国の国語教育』(リーベル出版)『子どもの英語学習』(風間書房)ほか。
前橋生まれ。津田塾大学英文学科卒業。お茶の水女子大学修士課程修了。1979年に渡米し、81年ボストン大学教育学部大学院TESOLコース修了。86年より在英国、92年レディング大学言語学科でPh.D.を取得し、現在、同大言語識字センター研究調査官。著書に『ことばを使いこなすイギリスの社会』 『書く力が身につくイギリスの教育』(岩波書店)『英国の国語教育』(リーベル出版)『子どもの英語学習』(風間書房)ほか。
書評情報
日本語学 2013年4月号
新潟日報(朝刊) 2013年1月27日
新潟日報(朝刊) 2013年1月27日