Poisson d'avril

吉崎悟朗 著
サバからマグロが産まれる!?


4月1日は言わずと知れたエイプリルフール。世界中でいろいろなイタズラが横行する日でもある。
 フランスでは、Poisson d'avril(4月の魚)と言って、子どもたちが魚の絵を人の背中に貼りつけるという悪戯をやるらしい。そこに描かれるのはサバ。由来は諸説あるが、4月はサバがよく獲れ、餌がついていない針にもひっかかるとか。そこから、ひっかかった人をPoisson d'avrilという洒落たジョークである。
 この日にはチョコやパイなど、魚型スイーツが食卓に溢れる。でも、このおいしいスイーツを召しあがる際は後ろにご注意を! 熱心に食べていたら……背中に魚が貼られてしまうかもしれません。
 そういえば、サバはフランス語でmaquereau、マクローという。この発音の組み合わせ、どこかで聞いたような……。そう、弊社岩波科学ライブラリーには『サバからマグロが産まれる!?』という本がある。
 こちらは「!?」が付いているが、エイプリルフールではない。大真面目にサバにマグロの卵と精子を産ませようという取組みだ。残念ながらまだ実現していないが、すでに「ヤマメからニジマス」は実証済み。仮親となるサバの種類もある程度絞られているという。こちらのサバは、「嘘から出たまこと」となる日を待ち望んでいる。
  魚が好きな方はもちろん、生命科学の道へ進むことを考える新入生の皆さんにぜひ読んでほしい、研究の面白さが詰まった春にお勧めの本でもある.

(2016年4月)

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