謹告(『ディーゼル車に未来はあるか』)――

 杉本裕明・嵯峨井勝著『ディーゼル車に未来はあるか――排ガス偽装とPM2.5の脅威』(岩波ブックレット955、2016年7月5日刊)の第3章「日本版マスキー法からディーゼル車規制へ」に誤った記述がありました。

 同章では、2011年のいすゞ自動車による排ガス機能の不正について記述しています。そのうち23-26頁は、この問題に関して当時の東京都環境局が事実調査を開始するところから公表にいたる経緯を紹介した部分です。この事実関係について大野輝之氏(当時東京都環境局長)より指摘を受け、再取材の結果、以下のように改めます。

 

 23頁3行目-4行目
「そもそも不正を見つけた東京都の担当者がそれを公表するためには、都の組織という分厚い壁を乗り越えねばならなかったのである。」
→ 削除

 25頁16行目-26頁13行目を以下のように訂正
「自動車公害対策部は四月下旬、環境局の会議でデータを示し、いすゞへの聞き取り、研究所での他社の車両調査、いすゞの法的責任を追及できるかを整理することの3点を提案、大野輝之局長の承諾を得た。すぐに、計画課は同社の技術渉外の担当者を都庁に呼び出し、測定データを見せた。「規制値以内の数値と大量に排出した数値。同じ車から出る排ガスとは思えない」。その場で明確な説明はなかったが、後日、いすゞの担当者は、国の決めたモードの時の排ガスの制御と、外れた時の排ガスの制御という二つの制御を行っていたことを認めた。計画課は同社に再確認するとともに、排ガス規制値を決める環境省の審議会委員に内容を伝え、外堀を埋めていった。
 五月下旬、同部は会議に調査結果を示し、都の特定公害・低燃費車への指定解除、国に同社の処分と基準審査の強化の要請、調査結果の公表などの方針案を示した。会議の出席者からは、国の排ガス審査をパスしたメーカーの悪質性をどこまで追及できるか、都との間で争いになるのではないか、という慎重論も出された。しかし、局長から、至急、専門家の委員会を立ち上げ、お墨付きを得て公表すること、この件について環境省に報告することなどの指示が出された。
 いすゞの担当者は、二つの制御はエンジンを守るためと抗弁していた。計画課はとにかくいすゞに非を認めさせようと考え、同社にこの問題をどう受け止めるのか最終回答を迫り、国交省にも説明した。間もなく同社の副社長が都庁を訪ね、謝罪した。六月上旬、石」

 

 なお、上記箇所の第1刷には、「大野局長は「日本では法律で禁止されていない。訴訟になったら耐えられるのか」と同意しなかった」(25頁17行目-18行目)との記載がありましたが、これは事実ではなく、大野局長(当時)は、実際には、合法であっても問題にすべきであるという認識を示していました。

 以上の訂正は本書第2刷以降ではすでに反映されております。

 また、第1刷を購入された方で第2刷をご希望の方には、送料小社負担にて、お取替えいたします。お手数をおかけしてまことに恐縮ですが、お手持ちの本を、着払いで下記までお送りくださいますようお願いいたします。

 大野様ならびに読者のみなさまに深くお詫びいたします。

 

 2016年12月20日

 

杉本裕明
岩波書店

 

〒101-8002 東京都千代田区一ツ橋2-5-5

岩波書店営業部「読者係」 電話03-5210-4111

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