こぼればなし(2017年8月号)

こぼればなし

 本欄執筆時、記録的豪雨による被害が九州にもたらされています。TVから流れてくる惨状は筆舌に尽くしがたく、被害の状況も正確には把握できないのが現状です。数多くの安否不明の方々もおられるようです。被害に遭われたみなさまには、心よりお見舞い申し上げます。
 昨年の六月も、活発化した梅雨前線が、九州を中心とした西日本に記録的な大雨をもたらしました。各地で土砂災害や、浸水被害などが発生し、熊本県では死者六人、福岡県では行方不明者一人の人的被害もありました。熊本地震からそれほど時を置かず、大雨による被害に見舞われたのです。
 ことしの夏は太平洋高気圧が強く張り出し、全国的に平年よりも気温が高い猛暑。その気温が高い状態は九月まで続き、残暑も厳しいものとなる、と気象庁は予報しています。みなさまも熱中症対策など、炎夏への充分な備えをよろしくお願いいたします。
 前号の本欄でもご紹介しましたが、四月に小社より刊行されました佐藤正午さんの『月の満ち欠け』が第一五七回直木賞の候補になりました。各紙誌でも好意的に取り上げられ大きな反響を呼んでおりますが、佐藤さんがお住まいの長崎県佐世保市でも受賞への期待は高まっているようです。
 長崎新聞によりますと、くまざわ書店佐世保店には特設コーナーが設けられています。「第一五七回直木賞候補作に決定!!」と記されたポスターなどが掲げられるとともに、六月号の本欄でご紹介したサイン会のおりに佐藤さんが記した直筆サインが展示されているほか、『月の満ち欠け』だけでなく佐藤さんのほかの著作も平積みされています。その様子を写した掲載写真をみると、作家に対してだけでなく、これを契機に地元を盛り上げていこうという書店さんの思いが伝わってきます。
 藤田直子店長は長崎新聞の取材に対し、「地元在住の作家が大きな賞にノミネートされたことは大変うれしい。この機会に多くの人に佐藤さんの作品に触れてほしい」とコメントしています。
 直木賞の選考会は七月一九日、一七時から築地の新喜楽で開かれます。本号がお手許に届くときには、すでに選考結果が発表され、受賞作は店頭に平積みされていることでしょう。どの候補作が受賞することになるのか、本欄執筆時のいまは、神のみぞ知る。はたして『月の満ち欠け』の受賞はなるのか。吉報を待ち望んでいるのは、佐藤さんや小社だけでなく、ほかの候補のみなさまやその版元もおなじことでしょう。当日の受賞作発表には、佐世保のみなさんだけでなく、全国から期待と注目が集まっているに違いありません。
 本号の師岡カリーマ・エルサムニーさんの回をもちまして、梨木香歩さんと交わされた往復書簡「私たちの星で」は終了となります。ご愛読、ありがとうございました。ただいま九月刊行の予定で単行本化にむけた編集作業が進められております。こちらにもご期待ください。

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