野球をデータでも楽しむ人のために

『勝てる野球の統計学――セイバーメトリクス』

(鳥越規央,データスタジアム野球事業部 著)

 阪神タイガースの鳥谷敬選手のデータを見るとセイバーメトリクスのおもしろさがよくわかります。
 鳥谷選手はキャリア14年で、一流打者の証と言われる打率3割を達成したのはわずか3回にすぎません。しかしセイバーメトリクスでは打率よりも、フォアボールも含めた出塁率の方が得点に相関するとして重視されるのです。出塁率で見れば鳥谷選手はベスト10入りが8回、最近の7年間で6回ベスト5入りとチームへの貢献が高いことが裏付けられるのです。
 一方、鳥谷選手は守備の名手というイメージもあります。プロ野球記者による投票で決定するゴールデングラブ賞にショートとして4度(2011,13~15年)選ばれ、2017年はサードとして選出されまし た。ところがセイバーメトリクスの守備指標UZR(平均的な選手に比べてどのくらい失点を防いだかを表す)を見ると、確かに2013年までは鳥谷選手のUZRはトップクラスでしたが、2014年以降は急激に悪化しマイナスの数値になっています。本書第4章ではこのUZRの説明と意外な守備の名手が紹介されます。
 このほか、投手の真の防御率とでもいうべきFIP、打撃、守備、走塁、投手であれば投手成績も考慮した総合的な指標WARなどセイバーメトリクスの基本をわかりやすく紹介します。野球ファンならぜひ、シーズンオフ中にこの1冊でセイバーメトリクスの知識を仕入れておき、開幕に備えようではありませんか。

カテゴリ別お知らせ

ページトップへ戻る