「丸山眞男集 別集」内容紹介

 

■刊行にあたって

 丸山眞男の生誕百年にあたる今年,小社は『丸山眞男集 別集』を刊行いたします.
 かつて『丸山眞男集』(全16巻・別巻1,1995-97年)の刊行開始にあたって,小社は「一国の学問をになう力は市民の日常における学問的思考である」という丸山の言葉を引いて,未来を切り開こうとしている人びとに読んでいただけることを希うと述べました.それから約20年を経て,東京女子大学丸山眞男文庫の編集によってこの別集を刊行し,丸山眞男の今日的意味をあらためて読者に提示できることは,小社にとってこの上ない喜びです.戦後70年を目前にして,日本の過去・現在・未来を考えるすべての人びとが本集から豊かな思考の糧を得られるよう願ってやみません.

2014年10月
岩波書店


■特色

◆『丸山眞男集』に加え本集によって丸山眞男の知的営為の全貌が浮き彫りになる『丸山眞男集』に加え本集によって丸山眞男の知的営為の全貌が浮き彫りになる.

◆第4巻と第5巻には「正統と異端」をめぐる研究会の記録を収める.

◆第1巻~第3巻の収録作品は長短にかかわらずすべて年代順に配列.

◆丸山眞男文庫における資料整理の過程で発見された『丸山眞男集』未収の作品,自筆原稿,講演・対談記録等から完成度の高いものを収録.


■ 全巻構成


■ 編者の言葉

 東京女子大学は,丸山眞男の遺族から蔵書や草稿資料類の寄贈をうけ,1999年に丸山眞男文庫を設置した.以来,学内外の多くの研究者が協力して,調査と整理に従事してきた.現在では一般にも公開され,所蔵資料を使った研究も出始めている.今回公刊する『丸山眞男集 別集』は,この調査過程で発見された著述類から完成度の高いものを選び,編集校訂したものである.『丸山眞男集』未収の作品や,自筆原稿,講演・対談記録等がある.ジャンルを問わず年代順に配列したが,「正統と異端」は長期にわたるため,別に二巻とした.
 敗戦から約70年,日本は大きな曲がり角に立っている.「原点」の確認が今ほど必要な時はないであろう.本集はその最良の指南車になると信ずる.


◆東京女子大学丸山眞男文庫
図書約1万8000冊とほぼ同数の雑誌,約7200件の草稿資料類から成る.図書雑誌のうち約2万4000冊は開架で原物を,丸山の書込み等がある本や草稿資料類は東京女子大学図書館内のパソコンで閲覧できる.

カテゴリ別お知らせ

ページトップへ戻る