ボブ・ディラン/佐藤良明訳『The Lyrics(全2冊)』(3/27刊)

全曲新訳。声、歌が聞こえる、圧倒的訳業。


 390曲に及ぶ全自作詞を網羅。アメリカ大衆歌謡の伝統を汲みながら詩に新地平をひらき、音楽とことばの限界を超えていった現代の吟遊詩人の神髄を、レノンやピンチョンの名訳者による最高の〈対訳〉で贈る。風に舞う問いとともに雷鳴を引きつれ、血の滲む運命の道を歩みつづけた50年にわたる創作の軌跡。詩神との至福の対話がここに。(全2冊)
 2008年ピュリッツァー賞特別賞/2016年ノーベル文学賞。


◆書誌情報
A5上製,1961-1973:624頁/1974-2012:576頁,本体各4500円
【1961-1973】ISBN978-4-00-061399-6  » 書誌ページへ
【1974-2012】ISBN978-4-00-061400-9  » 書誌ページへ

 


■目次

【1961-1973】
○訳者のことば
「ほこり舞う大不況期の田舎道から、イメージの雲に厚く覆われた現代まで、古代信仰にも頼りながら、ひとりテクテクと歩き続けた詩人の言葉を丸囓りできる幸せ。生涯にわたってディランは常に電撃的(エレクトリック)だった。」

フォークの新星として現れた『ボブ・ディラン』から、ザ・バンドとともに製作しビルボード1位を獲得した『プラネット・ウェイヴズ』まで、自作詞全200篇を収録。風に舞う問いをたずさえ、水銀の音を手に入れ、時代とともに変わり続けた十余年の軌跡。収録曲「風に舞っている」「はげしい雨が降る」「時代は変わる」「自由の鐘」「サブテレニアン・ホームシック・ブルース」「ミスター・タンブリンマン」「ライク・ア・ローリング・ストーン」「雨の日の女」「ジョハンナの幻影」「見張塔にずらりと」など。
ボブ・ディラン/フリーホイーリン・ボブ・ディラン/時代は変わる/アナザー・サイド・オブ・ボブ・ディラン/ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム/追憶のハイウェイ61/ブロンド・オン・ブロンド/ジョン・ウェズリー・ハーディング/ナッシュヴィル・スカイライン/セルフ・ポートレイト/新しい夜明け/地下室(ザ・ベースメント・テープス)/ビリー・ザ・キッド/プラネット・ウェイヴズ

【1974-2012】
○訳者のことば
「知っているはずの歌詞が、訳し始めたら解らなくなり、意味の海に溺れた。溺れながら、深みから聞こえてきた日本語をつかみとった。捨て身で並べた各行に、ディランの生々しさが少しでも乗り移っていてほしい。」

ディランの最高傑作ともいわれる『血の轍』から、ダークな凄みにより比類なき存在感をはなつ近作『テンペスト』まで、自作詞全187篇を収録。血の滲む運命の道をあゆみ、信仰への接近を経て、闇と雷鳴と嵐を引きつれ舞いもどった40年の軌跡。収録曲「ブルーにからまって」「運命のひとひねり」「ハリケーン」「アイシス」「今夜はどこに(暗い熱気を旅して)」「砂の一粒」「ジョーカーマン」「闇はこれから」「ハイランズ」「世の中変わった」「ミシシッピー」「山上の雷鳴」「ネティ・ムーア」「テンペスト」など。
血の轍/欲望/ストリート・リーガル/スロー・トレイン・カミング/セイヴド/ショット・オブ・ラブ/インフィデル/エンパイア・バーレスク/ノックト・アウト・ローデッド/ダウン・イン・ザ・グルーヴ/オー・マーシー/アンダー・ザ・レッド・スカイ/タイム・アウト・オブ・マインド/ラヴ・アンド・セフト/モダン・タイムズ/トゥゲザー・スルー・ライフ/テンペスト


■訳者紹介

佐藤良明(さとう よしあき)
フリーランス研究者。1950年山梨県生まれ。東京大学教授、NHK英会話講師などを歴任。群馬県育ち。『ラバーソウルの弾みかた――ビートルズから《時》のサイエンスへ』(岩波書店)以来、ポピュラー音楽を軸とした思索と執筆を続ける。近著に『ニッポンのうたはどう変わったか――増補改訂J-POP進化論』(平凡社ライブラリー)、エッセイ集『佐藤君と柴田君の逆襲!!』(共著・河出書房新社)など。訳書にトマス・ピンチョン『重力の虹』『ヴァインランド』(新潮社)、ジョン・レノン『らりるれレノン――ジョン・レノン・ナンセンス作品集』(筑摩書房)など。現在、放送大学客員教授として「アメリカの芸術と文化」「ビートルズde英文法」などを制作。



■来日公演情報

2020年4月、ボブ・ディラン来日公演決定! 詳細はウドー音楽事務所のサイトにてご確認ください。 【来日公演は中止となりました】

 ◎ボブ・ディラン日本限定ライブハウス公演(※ウドー音楽事務所サイト)
 https://udo.jp/concert/BobDylan

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