分離済みプルトニウムの処分という難問

フランク・フォン・ヒッペル、田窪雅文


 世界全体の分離済みプルトニウムの量を減らすことは、核兵器の材料になる核物質を「テロリストらが入手することを防ぐために」重要である。そして、冷戦後の核兵器削減を不可逆のものとし、核拡散を防ぐという目的にとっても重要である。ところが、現在、米国と日本はともに、それぞれ約50トンに達する余剰プルトニウムを抱え、その処分に手を焼いている。MOX燃料として既存の軽水炉で使用するという計画をもっているが、両国ともその実施において困難に直面している。そのうえ日本は、再処理工場の運転計画を手放さず、さらにプルトニウムを分離しようとしている。
 世界的な安全保障上の緊急課題であるこの難問に、どのようなオプションがあるのか。第一人者による論考。

Frank N von Hippel 核物理学者。プリンストン大学公共・国際問題名誉教授。非政府団体「国際核分裂性物質パネル (IPFM)」前 (創設) 共同議長。共編著に『徹底検証・使用済み核燃料 再処理か乾式貯蔵か──最終処分への道を世界の経験から探る』

たくぼ・まさふみ ウェブサイト「核情報」主宰。