壁の向こうの住人たち アメリカの右派を覆う怒りと嘆き

青い州から「壁」を越え,右派の心へ向かう旅に出た著名学者が赤い州の人々のディープストーリーを描き出す.

壁の向こうの住人たち アメリカの右派を覆う怒りと嘆き
著者 A.R.ホックシールド , 布施 由紀子
ジャンル 書籍 > 単行本 > 政治
刊行日 2018/10/25
ISBN 9784000613002
Cコード 0031
体裁 四六 ・ 並製 ・ カバー ・ 462頁
定価 3,300円
在庫 在庫あり
もはやアメリカは“ユナイテッド・ステイツ”ではない.なぜ分断はこれほど深いのか.カリフォルニア大学バークレー校の著名学者が共感を遮る「壁」を越え,右派の心へ向かう旅に出た.全米最貧州の一つ南部ルイジアナでの5年間,ティーパーティー運動を支える人々から聞き取ったディープストーリーを丹念に描く.
まえがき

第1部 大きなパラドックス
 第1章 心に向かう旅
 第2章 「いいことがひとつ」
 第3章 忘れない人々
 第4章 候補者たち
 第5章 「抵抗する可能性が最も低い住民特性」

第2部 社会的地勢
 第6章 産業――「米国エネルギーベルトのバックル」
 第7章 州――地下一二〇〇メートルの市場を支配する
 第8章 説教壇とメディア――「その話題は出てこない」

第3部 ディープストーリーを生きる
 第9章 ディープストーリー
 第10章 チームプレイヤー――忠誠第一
 第11章 信奉者――黙ってあきらめる
 第12章 カウボーイ――平然と受けとめる
 第13章 反乱――主張しはじめたチームプレイヤー

第4部 ありのままに
 第14章 歴史の試練――一八六〇年代と一九六〇年代
 第15章 もはや異邦人ではない――約束の力
 第16章 「美しい木があるという」

謝 辞
付記A 調査方法について
付記B 政治と環境汚染――TOXMAPからわかったこと
付記C 右派の共通認識を検証する
訳者あとがき
参考文献/原 注
アーリー・ラッセル・ホックシールド(Arlie Russell Hochschild)
米国ボストン生まれの社会学者.カリフォルニア大学バークレー校名誉教授.フェミニスト社会学の第一人者として,過去30年にわたり,ジェンダー,家庭生活,ケア労働をめぐる諸問題にさまざまな角度から光をあてて,多くの研究者に影響を与えてきた.早くから感情の社会性に着目し,1983年には本国で著書『管理する心』(世界思想社)を発表,感情社会学という新しい研究分野を切り開いた.その後も『セカンド・シフト』(朝日新聞社),『タイム・バインド』(明石書店)などを出版.単著として9冊目にあたる本書では,南部ルイジアナ州に暮らす共和党支持派の白人中間層の心情に向き合い,米国を分断する“共感の壁”を越える手がかりを探った.本書は広く反響を呼び,2016年度全米図書賞ノンフィクション部門にノミネートされた.

布施由紀子(ふせ ゆきこ)
翻訳家.大阪外国語大学英語学科卒業.訳書に,『天国の扉をたたくとき――穏やかな最期のためにわたしたちができること』(ケイティ・バトラー著,亜紀書房),『1493――世界を変えた大陸間の「交換」』(チャールズ・C・マン著,紀伊國屋書店),『ブッチャーズ・クロッシング』(ジョン・ウィリアムズ著,作品社),『核は暴走する――アメリカ核開発と安全性をめぐる闘い』(エリック・シュローサー著,河出書房新社)など.

書評情報

読売新聞(朝刊) 2019年11月7日
図書新聞 2019年5月25日
週刊ダイヤモンド 2019年4月13日号
週刊エコノミスト 2019年3月5日号(評者:ブレイディみかこさん)
日本経済新聞 2019年1月26日
北海道新聞 2019年1月13日
朝日新聞(朝刊) 2019年1月12日
東京新聞 2018年12月23日
朝日新聞(朝刊) 2018年11月9日
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