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ユダヤ人とユダヤ教

ユダヤ人とユダヤ教
著者 市川 裕
通し番号 新赤版 1755
ジャンル 書籍 > 岩波新書 > 宗教
刊行日 2019/01/22
ISBN 9784004317555
Cコード 0214
体裁 新書 ・ 200頁
在庫 在庫あり
ユダヤ教は「宗教」ではない.人びとの精神と生活,そして人生を根本から支える,神の教えに従った生き方だ.啓典の民,離散の民,交易の民,書物の民,さまざまな呼び名をもつユダヤの人びと.苦難の歩みのなかで深遠な精神文化を育む一方,世を渡る現実的な悟性を磨いてきた歴史をたどりながら,その信仰,学問,社会を知る.
はじめに


序 章 ユダヤ人とは誰か
 ポーランドにて/「真正のユダヤ人」


第1章 歴史から見る

第1節 古代のユダヤ人たち
 イエスの出現をどう捉えるか/賢者輩出の時代/啓示法の宗教
第2節 イスラム世界からヨーロッパへ
 忘れられた歴史を補う/イスラムとともに/啓典の民/地中海社会での繁栄/アルプスを越えて/スファラディとアシュケナジ/レコンキスタとスペイン追放/新キリスト教徒の再改宗/安住の地ポーランド/シュテットルの生活
第3節 国民国家のなかで
 メンデルスゾーン/フランス革命の衝撃/われわれは何者か?/ポグロムの恐怖/アウシュヴィッツへ/世界帝国の興亡とユダヤ人/「ユダヤ人」という選択肢


第2章 信仰から見る

第1節 ラビ・ユダヤ教
 ユダヤ教は宗教なのか/ユダイズムとユダヤ教/ユダイズムとは何か/持ち運びのできる国家/二重のトーラー/ラビたちの決断
第2節 ユダヤ教の根本原則
 トーラーに従って生きる/神殿の供犠/シナゴーグの礼拝/シュマアの朗読/十八祈禱文,十戒,六一三戒
第3節 神の時間秩序
 安息日/一年のサイクル/一生のサイクル/祈りの生活/制度化された断食
第4節 「宗教」としてのユダヤ教
 東欧における神秘主義の浸透/近代のユダヤ教再定義/世俗化したユダヤ人と民族主義/二つの定義・三つの集団


第3章 学問から見る

第1節 タルムードの学問
 トーラーの学習/イェシヴァ/タルムードの普及/タルムードのテキスト
第2節 論争と対話
 師匠への奉仕/モーセに基づかせる/矛盾をぶつけることの真意/ラビたちの議論
第3節 ユダヤ哲学
 ギリシア哲学による挑戦/イスラム世界のギリシア哲学/哲学者マイモニデス/律法典の形成/『シュルハン・アルーフ』による統合
第4節 ユダヤ精神の探究
 東欧の肥沃な精神世界/ヴォロジンのイェシヴァ/エリ・ヴィーゼルと二人の師/学ぶことは生きること/正真正銘のラビとの出会い/世俗教育との両立


第4章 社会から見る

第1節 ユダヤ人の経済活動
 商業と金融の民/利子取得の正当化/マルクスの主張/利子取得の二重基準/ロスチャイルド家
第2節 ユダヤ人の人生の目標
 神に選ばれた民/ノアの七戒と十の心得/慈善と慈しみの行い/施しの八段階
第3節 近代メシア論
 二つのメシア論/シオニズム/離散ユダヤ人は捕囚民か/ユダヤ的百家争鳴
第4節 ユダヤ社会の現実
 ヘブライ語の蘇生/混合婚をめぐる議論/二極分化するユダヤ社会/イスラエル社会の現実/イスラエル国家のゆくえ/棄民の視点から



文献解題
 歴史について/ユダヤ教について/ユダヤの宗教思想について/ユダヤ思想史について/トーラー註解について/タルムードについて/ユダヤ百科事典『ジュダイカ』


あとがき
市川 裕(いちかわ ひろし)
1953年生まれ
1982‒85年ヘブライ大学人文学部タルムード学科特別生等,1986年東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学
現在-東京大学大学院人文社会系研究科教授
専攻-宗教史学,ユダヤ思想
著書-『ユダヤ教の歴史』(山川出版社,2009),『ユダヤ教の精神構造』(東京大学出版会,2004)ほか
編著書-『図説ユダヤ教の歴史』(河出書房新社,2015),『ユダヤ人と国民国家――「政教分離」を再考する』(岩波書店,2008)ほか
監修訳書-『バビロニア・タルムード・マッコート篇』(三貴,1996)

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