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「勤労青年」の教養文化史

読書や勉学を通じて人格陶冶をめざすという価値観は、いつ、なぜ消失したのか。格差と教養の複雑な力学。

「勤労青年」の教養文化史
著者 福間 良明
通し番号 新赤版 1832
ジャンル 書籍 > 岩波新書 > 社会
刊行日 2020/04/17
ISBN 9784004318323
Cコード 0236
体裁 新書 ・ 302頁
在庫 在庫あり
かつて多くの若者たちが「知的なもの」への憧れを抱いた。大学はおろか高校にも進めなかった勤労青年たちが「読書や勉学を通じて真実を模索し、人格を磨かなければならない」と考えていた。そんな価値観が、なぜ広く共有されえたのか。いつ、なぜ消失したのか。地域差やメディアも視野に入れ、複雑な力学を解明する。
プロローグ 「格差と教養」の時代

第1章 敗戦と農村の教養共同体――青年団と読書の希求
 1 敗戦と青年団
 2 農村教養文化の困難
 3 農村社会の閉塞と人口流出

第2章 上京と「知的なもの」への憧憬――集団就職と定時制
 1 上京への憧れと幻滅
 2 「進学の代替」としての大企業
 3 定時制が生み出す「冷却」

第3章 人生雑誌の成立と変容――転覆戦略のメディア
 1 大衆教養メディアと転覆戦略
 2 教養雑誌の衰退と見えなくなる格差
 3 断片化する教養

エピローグ 格差と教養の乖離

あとがき
参考文献
図表出典一覧
福間良明(ふくま よしあき)
1969年、熊本市生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。博士(人間・環境学)。出版社勤務、香川大学准教授を経て、
現在―立命館大学産業社会学部教授
専攻―歴史社会学・メディア史
著書―『「反戦」のメディア史――戦後日本における世論と輿論の拮抗』(世界思想社、2006年、内川芳美記念マス・コミュニケーション学会賞受賞)、『「戦争体験」の戦後史――世代・教養・イデオロギー』(中公新書、2009年)『「戦跡」の戦後史――せめぎあう遺構とモニュメント』(岩波現代全書、2015年)『「働く青年」と教養の戦後史――「人生雑誌」と読者のゆくえ』(筑摩選書、2017 年、サントリー学芸賞受賞) ほか

書評情報

しんぶん赤旗 2020年6月21日(評者:加瀬和俊さん)
日本経済新聞(朝刊) 2020年6月6日(評者:大澤 聡さん)

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