WEB連載

3.11を心に刻んで

私たちは、2011年3月11日の大震災において被災された方々のことを心に刻み、歩みたいと思います。そして、どのような状況にあっても言葉を恃むことを大切にしたいと願い、ホームページ上での連載をはじめることにしました。毎月さまざまな方に、過去から蓄積されてきた言葉に思いを重ねて書いていただきます。毎月11日の更新です。
岩波書店編集部

最新話2017年10月11日更新

バックナンバー

2017年9月11日更新
鬼頭秀一 桑原史成 森田裕美
2017年8月11日更新
小谷みどり 佐 藤 泉 増田ユリヤ

もっと見る

佐藤正午 小説家の四季

年年歳歳 花相似たり
歳歳年年 人同じからず
だが、地方都市・佐世保に住む小説家の毎日は、
いつものように過ぎてゆく。
めぐる季節のあわいにのぞく、
小説以前の、書かれざる物語たち。
待望のセカンド・シーズン。

ファースト・シーズンはこちら


『小説家の四季』

今日はヒョウ柄を着る日

星野博美、今日も地元のお年寄りワンダーランドを旅する!!――人間にとって老いとは? 生きていく覚悟とは? そして、ヒョウ柄とは?
『コンニャク屋漂流記』『転がる香港に苔は生えない』『戸越銀座でつかまえて』『のりたまと煙突』『島へ免許を取りに行く』『愚か者、中国をゆく』等々で人気のノンフィクション作家が、猫界と人間界の間を行き来しながら人間という動物について考える、一風変わったエッセイです。

最新号

バックナンバー

もっと見る

やや黄色い熱をおびた旅人

 一九九七年夏。私は某TV局に請われて、文字通り世界を股にかけるような旅をした。それは「僕たちの戦争と平和」と題して、アフリカ、ヨーロッパ、アジアの各地で、「戦争と平和」に関わりながら活動する日本の青年たちを訪ねる旅だった。当時三十八歳の私は、及び腰ながらもこの重すぎる荷を担ぐことに決め、日本を後にした。
 アスマラ、ジュネーブ、ベオグラード、パンチェロ、バンコク、プノンペン、メーソット、ノンカイ……訪れた都市の名を思い出すだけでも目の回るような旅だった。行く先々で私は詳細な日記をつけた。
 帰国後、稿を起こしたのは、世紀が改まってからのことだった。どのジャンルにも属さない読物に仕上げたい、という大望を抱いたのがいけなかったのか、筆は重かった。
 それが二十年も経った今、完成したのは何故だったろう――私にも分からない。一つだけ言えるのは、戦争の本質というのは、二十年経とうが五十年経とうが変わらないものだということだ。試みに、スマートフォンで「世界の紛争地」を検索してみるとよい。二十年前と比べて世界の紛争地や難民の数は減っているのか、増えているのか? そういうことを考えるきっかけになってくれれば、という願いを込めて、今、この作品を世に問いたい。 原田宗典

ページトップへ戻る